マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年12月15日
マネサバくん悩む

日銀保有株の重い宿題

はじめに|日銀が「株を売る」って本当?

最近、「日銀が株を売り始めるらしい」というニュースが出ました。
正確にはETF(上場投資信託)ですが、中身は日本株そのものです。

マネサバくん:おじさん、ニュース見たよ。
日銀って、そんなに株持ってたの?

:いいところに気づいたね。
実は日銀は、日本で一番株を持っている存在なんだ。

今回はこの 日銀保有株 について、
「なぜ問題なのか」「これから何が起き得るのか」を、ゆっくり整理していこう。


まずはクイズ|日銀は何年かけて株を売る?

:じゃあ最初にクイズ。
日銀が持っているETFを、全部売り終わるまで何年かかると思う?

マネサバくん:うーん…10年くらい?

:もっと長い。

マネサバくん:じゃあ30年?

:まだまだ。

マネサバくん:え、100年?

:正解。
100年以上だ。

答え合わせ

日銀は、簿価で約37兆円分のETFを、年間3300億円ずつ売却する計画だ。
単純計算すると 約112年
人生を何周しても終わらないレベルの長期計画だね。


日銀保有株って、そもそも何?

マネサバくん:でもおじさん、
なんで日銀が株なんて持ってるの?

:景気対策だよ。
景気が悪いときにお金を世の中に回すため、国債だけでなくETFも買った。

その結果、

という、かなりいびつなバランスになってしまった。


なぜ日銀保有株が「問題」なのか

ここが一番大事なポイントだ。

中央銀行は本来、株を持つ存在ではない

中央銀行は、

に肩入れしない「中立な存在」であるべきだ。

マネサバくん:でも今は含み益が出てるんでしょ?
儲かってるなら良くない?

:それが一番危ない考え方だ。


金利が上がると何が起きる?

金利と資産価格は、基本的に逆の動きをする。

日銀は国債を500兆円以上持っている。
ざっくり言うと、

10年債は金利が1%上がると、価格は約10%下がる

日銀の保有国債の平均残存期間はもう少し短いが、
それでも 金利上昇=数十兆円規模の評価損 が出てもおかしくない。

マネサバくん:じゃあ、今ある株の含み益って…

:あっという間に吹き飛ぶ可能性がある。


「110年かけて慎重に」は本当に安全か?

日銀は
「市場に影響を出さないよう、100年以上かけて売る」
と言っている。

確かに、過去に銀行から買い取った株を約10年かけて売却し、
大きな混乱なく終えた実績はある。

ただし、今回は状況が違う。

マネサバくん:100年あれば安心ってわけじゃないんだね

:むしろ「100年もかかる問題を抱えた」って考えた方がいい。


なぜ今、情報がリークされているのか

今回の話は、正式発表前から少しずつ報道されている。

マネサバくん:なんで小出しにしてるの?

:市場の反応を見るためだろうね。

植田総裁は慎重な人だ。
いきなり発表して市場が荒れるより、

という流れは、かなり現実的だ。

19日の金融政策決定会合後の会見が注目される理由も、そこにある。


投資家はどう向き合えばいい?

このニュースを見て、

と極端に考える必要はない。

一方で、

と考えるのも危険だ。

日銀保有株の問題は、
静かに、でも確実に効いてくるリスク だ。


まとめ|日銀保有株は“未来へのツケ”

マネサバくん:なんだか、重たい話だね…

:そうだね。
でも、投資では「見ないふり」が一番危ない。

日銀保有株は、

という、未来に先送りされた問題だ。

「日銀がいるから安心」ではなく、
「日銀ですら簡単に降りられない状況」
この視点を持って、市場を見ていきたい。

19日の会見は、しっかり確認しておこう。


【出典】

タイトル:日銀が来月にも保有ETFの売却開始へ、100年以上の長期計画に-関係者

URLhttps://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-15/T7AKTYT96OSG00?srnd=jp-homepage

媒体名:ブルームバーグ

掲載日:2025年12月15日