マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年12月16日
マネサバくん怒る

育たぬユニコーンの正体

はじめに|ユニコーンは誰が育てるもの?

「日本ではユニコーン企業が全然育たない」

そんな話を最近よく耳にします。
今回の日経新聞の記事は、その原因をかなり踏み込んで検証しています。

マネサバくん:おじさん、そもそもユニコーンって何者なの?
なんか強そうだけど。

:名前は強そうだけどね。
ユニコーン企業っていうのは、非上場で会社の価値が1500億円以上の企業のことだよ。

本来は市場の中で、投資家に評価されて自然に生まれる存在です。
ところが日本では、政府が「育てよう」としている。
ここに、今回の問題の根っこがあります。


クイズ|スタートアップ補助金はいくら使われた?

:じゃあ最初にクイズだ。
日本はスタートアップ育成のために、ここ4年間でいくら補助金を出したと思う?

マネサバくん:うーん…100億円くらい?

:桁が違う。

マネサバくん:じゃあ500億円?

:まだ少ない。

マネサバくん:まさか…1000億円?

:正解に近い。
約1700億円だ。

答え合わせ

2021年度からの4年間で、国は新興企業向け補助金として1700億円を支出しました。
しかもこれは、財政赤字が問題になっている最中の話です。


育たぬユニコーンの最大の違和感

マネサバくん:でもおじさん、
そんなにお金出してるなら、ユニコーン増えても良さそうじゃない?

:ところが、そうなっていない。

日本政府は
「将来ユニコーンを100社にする」
という目標を掲げていますが、現状は 8社

しかも今回の検証で分かったのは、
補助金を受け取っていた企業の2割以上が大企業関連 だったという事実です。


スタートアップ補助金の中身を見てみる

制度の仕組みは一見立派です。

という3段階を国が設定し、
最大で 100億円超 の資金を提供します。

しかし実態を見ると、

が数多く採択されていました。

マネサバくん:それって、スタートアップなの?

:そこが一番の疑問だね。


政府の説明と、内部の食い違い

内閣府は
「大企業への交付も問題ない」
と説明しています。

一方で、制度を作った当時の関係者からは
「制度の趣旨を逸脱している」
という厳しい声も出ています。

つまり、

この間で、最初から方向性がズレていた可能性が高い。


そもそも政府がユニコーンを作る必要はあるのか

マネサバくん:おじさん、
ユニコーンって政府が作らなきゃダメなの?

:個人的には、全くそう思わない。

資本主義社会では、

この環境こそが一番大切です。

雇用や新産業は、
市場での競争の結果として生まれるものであって、
政府が「この分野で作る」と決めるものではないと私は考えています。


税金という「重い原資」

今回使われた1700億円は、すべて税金です。

税金を

こうした政策を続けていれば、
財政は確実に傷みます。

マネサバくん:それって将来どうなるの?

:最悪の場合、通貨の信用が落ちる。

第二次大戦直後、日本の軍票が紙くずになったのも、財政と通貨の信頼を壊した結果でした。


本当に必要なのは「検証」

今回の日経の記事で評価できるのは、
「どれだけ効果があったのか」を数字で検証している点です。

これを検証せずに
「次はもっと予算を増やそう」
では、同じ失敗を繰り返すだけです。


まとめ|育たぬユニコーンが示すもの

マネサバくん:なんだか、夢のある話のはずなのに重たいね

:夢を語るのは簡単だけど、お金を使うなら責任が必要だ。

育たぬユニコーン問題が示しているのは、

だと思っています。

スタートアップに本当に必要なのは、
補助金よりも
自由に挑戦でき、失敗できる市場環境

この視点を忘れずに、
「育たぬユニコーン」という言葉の裏側を考えていきたいですね。


【出典】

タイトル:〈エビデンス不全〉育たぬユニコーン(上) 新興向け補助金、骨抜き 採択事業者、2割が大企業

URLhttps://www.nikkei.com/paper/article/?b=20251216&ng=DGKKZO93237960W5A211C2MM8000

媒体名:日本経済新聞

掲載日:2025年12月16日