マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年2月16日

金利は1%で止まらない?元日銀理事が語ったこれから

日銀が政策金利を0.5%に引き上げたのがつい最近のこと。金融市場では「次はどこまで上がるんだろう」という空気がじわじわ広がっています。そんな中、元日銀理事で現在はシンクタンクのトップでもある前田栄治氏が、興味深い見解を示していました。

彼の話をざっくりまとめると、今の金利上昇はまだまだ途中で、1%で止まることはないだろうというもの。加えて、物価上昇リスクも想定以上に高まっている、という見方を示しています。これからの金利と物価の動き、そして私たちにどんな影響があるか、少し整理してみたいと思います。

金利はどこまで上がる?

前田氏によると、海外経済が大きく崩れたり、円高が急進しない限り、日銀の利上げは1%を超える可能性が高いとのこと。これまで日本の政策金利は長い間ほぼゼロ、せいぜい0.5%程度に抑えられてきましたが、そうした時代が変わるかもしれないというわけです。

しかも、前田氏は中立金利(景気をちょうど冷やしも過熱もしない水準)が1.5〜2%あたりにあるかもしれないとも指摘しています。つまり、景気の状況次第では、もっと高い金利水準が求められる未来もありうるという話です。

物価のリスクはどうか

物価についても、前田氏は慎重な見方をしています。今後、円安がさらに進めば物価上昇を押し上げる要因になり、中小企業の人手不足が賃上げ圧力を強める可能性も指摘されていました。

特に注目したいのは「期待インフレ率」についての発言。企業や家計の間で、物価が上がり続けると考える人が増えているといいます。期待インフレ率が高まると、実際の物価もじわじわ上がりやすくなります。経済学的にも、インフレ期待はインフレを引き寄せる、という側面があるからです。

ETFの話にも一言

もうひとつ気になる話題がありました。日銀が大量に保有している上場投資信託(ETF)についてです。前田氏は、植田総裁の任期中には本格的な処分には踏み切らないだろうと予測しています。その理由は、ETFが日銀の収益を支える一面もあるから。

ただ、そもそも中央銀行がリスク資産である株式を大量に持っていることに、違和感を覚える人も少なくありません。株価は日々動くもの。金融の安定を目指すはずの中央銀行が、価格変動の激しい資産を抱え続けることが本当に問題ないのか、少し立ち止まって考えたくなります。

金利と国債、静かに進行するリスク

さらに背景にあるのが、日銀が大量に保有する長期国債の存在。金利が上がれば国債の価格は下がります。これは教科書的な知識ですが、日銀が保有している長期国債にどれほどの含み損が出ているのか、気になるところです。理論上、中央銀行が債務超過になってもすぐに何かが起こるわけではありませんが、通貨の信用を支えるのは結局のところ「信頼」。もしその信頼が揺らぐことがあれば、円そのものへの影響も無視できません。

少し先を見ておくと

金利が上がるということは、住宅ローンや企業の借入金利にも影響が出ます。物価上昇が続けば、日常の暮らしにも負担感が増すかもしれません。こうした環境では、資産の守り方や増やし方についても考え直すきっかけになるかもしれません。

もちろん、すぐに何かアクションを起こす必要はないですが、金利や物価、中央銀行の動きに少し敏感になっておくと、これからの選択肢が少し広がるかもしれません。


日銀利上げ「1%では止まらない」 元日銀理事の前田氏

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL14126TU5A210C2000000

日経新聞 2025年2月14日