マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年3月27日

5ドルから始める投資の世界、アメリカに学ぶ資産形成のリアル


株式投資は、一部の富裕層だけのもの——。そんなイメージを持っている人にとって、アメリカの現状は少し衝撃的かもしれません。今や米国の家計が保有する株式や投資信託の総額は8000兆円。日本の約20倍にもなります。しかも、そのうち6割もの家庭が株式を保有しているのです。

一体なぜ、これほどまでに株式投資が生活に根付いているのでしょうか?


5ドルから買えるテスラ株

アメリカで個人投資を身近なものにした大きな要因のひとつが、端株取引の普及です。端株とは、1株未満の単位で株式を売買できる仕組み。たとえば通常1株900ドル近いコストコの株も、端株なら25ドル分だけ購入できます。テスラ株だって、たった5ドルから買うことができるのです。

この動きを後押ししたのが、ネット証券の手数料無料化とスマホアプリの進化。コロナ禍で自宅にこもる時間が増えた人々が給付金を元手に投資を始め、アメリカでは「巣ごもり投資」がブームになりました。

日本にも「ミニ株」や「単元未満株」と呼ばれる仕組みはありますが、売買手数料が高く、まだまだ一般的とは言えません。この違いが、両国の個人投資文化の差を生んでいるのかもしれません。


広がるデジタル投資サービス

アメリカでは、単に端株が買えるだけでなく、さまざまなサービスが登場しています。

例えば、スマホ証券スタッシュはデビットカードで買い物をすると、その一部が株式として還元される仕組みを提供。パブリック・ドットコムでは、ユーザー同士が取引履歴をシェアし、他人の投資スタイルを学ぶことができる。さらには、株式をプレゼントできるストックパイルのようなギフト文化も根付いています。

これらのサービスは、投資を特別なものから生活の一部へと引き寄せ、より多くの人が自然に資産形成に取り組める環境を作り出しています。


投資文化を支える仕組み

アメリカでは1970年代に確定拠出年金制度(401k)が導入され、個人が自ら運用する文化が根付きました。1980年代には独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)が台頭し、1990年代からはネットトレードが広がり、近年は投資アプリが一般化。

これらの背景が、今の8000兆円という巨額の個人金融資産を支えているのです。

一方の日本では、単元株制度がネックになっています。100株単位でないと取引できないため、たとえばトヨタの株を買うには30万円近い資金が必要。しかも、ミニ株取引の手数料も高く、米国のような手軽さにはほど遠い状況です。

投資をもっと身近にするためには、まず制度の見直し手数料の低減が不可欠でしょう。


少額からの投資で、未来は変えられるかもしれない

「株式投資にはまとまったお金が必要」という考え方は、もう古いのかもしれません。アメリカでは、5ドルというコーヒー1杯分の金額でテスラ株に投資できる時代です。少額からでも、時間をかけて積み上げていくことが、やがて大きな資産を築く第一歩になります。

日本でも「日本株 少額投資」で検索すると、ミニ株を取り扱う証券会社が見つかります。これを機に、投資をもっと身近なものとして捉えてみるのもいいかもしれません。

資産形成のスタートに、大きな資金は必要ない。必要なのは、最初の小さな一歩かもしれません。


5ドルで買えるテスラ株 米国の家庭、6割が株式保有

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB210HJ0R20C25A3000000/
日経新聞 2025/3/26