銀行株、注目はネット銀行?金利上昇で見えてきた「預金の質」とは
最近、株式市場で銀行株が盛り上がっています。でも、意外なことに注目されているのは大手のメガバンクではなく、ネット銀行。どうしてネット銀行が注目されているのか、今回の記事をもとに、経済や金融の視点から少しだけ掘り下げてみたいと思います。
ネット銀行に資金が集まる理由
記事によれば、ネット銀行の株価はここ最近大きく上昇しています。例えば、楽天銀行は前年末に比べて32%高、住信SBIネット銀行も17%高と、メガバンクを大きく上回っています。
背景には金利上昇があります。これまで続いていたマイナス金利政策のもとでは、銀行は預金を集めても貸し出しに回せず、収益を上げるのが難しい状況でした。しかし今は違います。金利が上がることで、預金を持っていること自体が銀行の収益チャンスになる時代に突入しています。
そんな中で、店舗を持たずにデジタルで顧客とつながれるネット銀行が優位に立っています。例えば楽天銀行は、ネット通販の楽天グループの顧客基盤を活かして、効率的に預金を集めています。実際、2024年末の預金残高は12兆円。1年前より15%も増えています。
預金の「量」より「質」が問われる時代
面白いのは、ただ預金の量を集めればいいというわけではない、という点です。短期間のキャンペーンで集めた預金はすぐに流出してしまうリスクがあります。これからの時代に重要なのは「粘着性の高い預金」だと言われています。たとえば、給与振込に使われている口座など、長く使ってもらえる預金です。
そのため、千葉銀行のように、地域に根ざした店舗網を維持しながら、アプリなどのデジタル施策にも力を入れている銀行は、比較的高く評価されています。
投資家たちが注目しているのは、ただ預金をたくさん集めるだけでなく、安定して預かれるかどうか。言い換えれば「預金の質」が問われているのです。
既存の銀行の課題も
今回の記事を読んでいて気になったのは、やはり日本の銀行業界に根強く残る課題です。たとえば、最近も貸金庫からの盗難事件がニュースになりましたが、こうしたリスク管理の甘さや、窓口での対応など、サービス面での課題はまだまだ解消されていません。
こうした現状を考えると、ネット銀行が評価されているのは、単にデジタルで便利だからというだけでなく、現行の銀行に対する不信感の裏返しでもあるのかもしれません。
これからの選択肢として
金利が上がる「金利ある世界」では、銀行も企業も、今までとは違う基準で評価されるようになります。預金の「量」より「質」、便利さだけではなく安心感。こうした視点を持って、銀行株を見るのもおもしろいかもしれません。
もちろん、これをきっかけに「銀行に投資してみよう」と思うかもしれませんが、どこにでもリスクはあります。自分で情報を集めながら、じっくり考えてみるといいですね。
銀行株の本命はネット銀 金利があぶり出す「預金の質」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB210UW0R20C25A2000000
日経新聞 2025年2月21日
