マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年12月20日
マネサバくん悩む

利上げなのに円安が進む理由

「利上げ=円高になるはず」
そう思っていた人ほど、今回の動きには首をかしげたかもしれない。

実際、12月の金融政策決定会合で日銀は利上げを決めた。それでも、為替市場では円安が進むという、ちょっと不思議な展開になった。
このニュースをどう理解すればいいのか。今日はマネサバくんと一緒に、ゆっくり整理してみよう。


円安が進んだニュースの要点

本日注目したのは、ロイターの記事。
ニューヨークの外国為替市場で、円が主要通貨に対して大きく下落した、という内容です。

日銀は政策金利を0.75%に引き上げました。これは30年ぶりの水準。それだけ聞くと「おお、ついに本気か?」と思うよね。

ところが、会合後の会見で、日本銀行は「これからどんどん利上げします」とは言わなかった。
この“歯切れの悪さ”が、市場にどう映ったかがポイントです。


素朴な疑問

マネサバくん:おじさん、ちょっと混乱してるんだけどさ。
利上げしたんだよね?なんで円安になるの?

:うん、それ普通の感覚だと思うよ。
「金利を上げる=通貨が強くなる」って、教科書的にはそうだからね。

マネサバくん:でしょ?じゃあ市場が間違ってるとか?

:いや、市場は「利上げしたか」より「これからどうするか」を見てるんだ。

マネサバくん:未来の話かぁ。ペンギン、未来は苦手…。


市場が見ていたのは「その先」

今回の利上げ自体は、ほぼ事前に予想されていました。
だから市場の関心は、「次も上げるの?」「どれくらいのペース?」という点に移っていた。

ところが、日銀総裁の会見では
・次の利上げ時期は未定
・中立金利まではまだ距離がある
といった、かなり慎重な表現が並んだ。

これを市場は
「思ったよりタカ派じゃないな」
と受け止めた。

その瞬間、円を買う理由が弱くなり、結果として円安が進んだ、というわけだ。


インフレなのに?

マネサバくん:でもさ、おじさん。
日銀って「今はインフレ」って言ってるよね?

:言ってるね。

マネサバくん:なのに金利は実質マイナスなんでしょ?
それって変じゃない?

:かなり変だよ。
普通なら、もう少し金利を上げてもおかしくない。

マネサバくん:じゃあ、なんで上げないの?

:そこが一番大事なところだ。


日銀が簡単に利上げできない理由

理由の一つは、日銀自身の財務状況だ。
日銀は大量の国債を保有している。金利が上がると、その国債の価値は下がる。

つまり、急激な利上げは
「日銀の損失が一気に膨らむ」
というリスクを伴う。

中央銀行の信用は、通貨の信用そのもの。
もし「日銀、大丈夫?」と世界から思われたら、それこそ円は売られてしまう。

日銀は、インフレ対応と自分の体力、その両方を気にしながら、綱渡りをしている状態なんだ。


介入すれば解決?

マネサバくん:ニュースで「為替介入も警戒」って言ってたけど、
円を買えば解決じゃないの?

:短期的には効くよ。でもね…。

マネサバくん:でも?

:根本的な問題が解決してなければ、また戻る。

マネサバくん:うわ、湿布みたい…。

:いい例えだな。痛みは消えても、原因は残る。


本当に必要なのは何か

今回、財務相は
「一方向で急激な動きは憂慮している」
とコメントした。

そう言いたくなる気持ちは分かります。でも、市場から見ると、今回の円安はかなりファンダメンタルズを反映した動きだと思います。

もし本気で通貨の信用を高めたいなら、
・財政を引き締める
・借金を減らす方向性を示す
こうしたメッセージの方が、よほど効く。

さんざん借金を重ねた人が
「俺の信用を傷つけるな!」
と言っても、周りが納得しないのと同じだ。
国家も、残念ながら同じルールで見られていると私は思います。


円安が進む今、どう考える?

今回の「円安が進む」動きは、決して偶然ではありません。
利上げしてもなお慎重な日銀の姿勢、財政への不安、それらが重なった結果でしょう。

為替は感情ではなく、期待で動く。
そして市場は、いつも一歩先を見ている。

円安は怖いニュースに見えるけど、
「なぜそうなったのか」を理解できると、見え方はかなり変わる。

マネサバくんと一緒に、これからも一歩ずつ、考える力をつけていきましょう。


【出典】