マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年12月19日
マネサバくんびっくり

利上げでも円安の謎

日銀は利上げした。でも円は弱いまま

2025年12月、日銀は政策金利を0.75%へ引き上げました。
これは実に30年ぶりの高水準。ニュースでも大きく取り上げられ、「ついに金融正常化が本格化か?」という声も聞こえてきます。

長期国債の利回りも2%を突破。
数字だけを見ると「円高になっても良さそう」なのですが、現実は逆。
円相場は1ドル156円台と、むしろ円安が進みました。

ここで多くの人が感じた疑問――
「利上げしたのに、なんで円安?」
これが今回のテーマ、「利上げでも円安」です。


マネサバくん、素朴な疑問をぶつける

マネサバくん:おじさん、日銀が利上げしたってニュース見たよ。
金利上がったら円高になるんじゃないの?

私:普通はそう思うよね。でも今回はちょっと事情が違うんだ。

マネサバくん:えー、また難しいやつ?
僕、専門用語出てくると眠くなるんだけど。

私:安心して。今日は眠くならない説明にするように頑張ります。


ポイントは「実質的にはまだ緩い」

今回の日銀の発表で、何度も強調された言葉があります。
それが「実質金利は極めて低い水準」という表現です。

簡単に言うと、
名目上は利上げしたけど、実際の引き締めはほとんどしていない
というメッセージ。

日銀ははっきりと
「利上げ後も緩和的な金融環境を維持する」
と言っています。

つまり市場はこう受け取ります。
「今後も大きく金利は上がらないだろうな」と。

この時点で、円を積極的に買う理由が弱くなるわけです。


「これ以上、本当に利上げできるの?」という視線

マネサバくん:でもさ、おじさん。
市場では「次の利上げもある」って言われてるよね?

私:確かに言われてる。でもね、現実問題がある。

マネサバくん:現実問題? 怖いやつ?

私:日銀のお財布事情だ。

日銀はこれまで大量の国債を買ってきました。
金利が上がると、その国債の評価は下がります。
さらに、支払う利息が増えて「逆ザヤ」が広がる。

今回の0.25%の利上げで、
日銀はかなり債務超過に近づいたと見られています。

市場はちゃんとそこを見ています。
「これ以上の利上げ、簡単じゃないぞ」と。


円安が続く理由は「期待」と「覚悟」

為替は「今」よりも「これから」を見ます。

・利上げは今回で打ち止めかもしれない
・景気を本気で冷やすほどの政策は取れない
・実質的にはまだ金融緩和状態

こうした見方が広がると、
「円を持つより、他の通貨を持とう」
という動きが続きます。

結果として、
利上げしても円安
という一見不思議な状況が生まれるわけです。


マネサバくん、少し大人になる

マネサバくん:なるほど…。
利上げした事実より、「これ以上できるか」が大事なんだね。

私:そういうこと。市場は空気を読むのが得意だからな。

マネサバくん:なんか、日銀って今かなり追い込まれてる感じ?

私:正直、切羽詰まってると思う。


株高・円安・金利上昇が同時に起きる世界

今回の会合後、
・長期金利は上昇
・円は下落
・株価は高値圏

一見ちぐはぐですが、
「金融はまだ緩い」という共通認識で説明がつきます。

これは投資家にとって、
「簡単な相場ではない」
というサインでもあります。


まとめ:数字よりメッセージを読む

利上げ=円高
この常識が通じなくなってきています。

大事なのは、
・中央銀行が何をしたか
・何をしたつもりなのか
・何ができなくなっているのか

これを読む力。

マネサバくん:おじさん、ニュース見る目が変わった気がするよ。

私:それで十分。投資は、気づいた人から一歩先に行くもんだ。


【出典】
タイトル: 日銀が0.75%と30年ぶり水準に利上げ、正常化継続-長期金利2%台に上昇
URL: https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-19/T7G60CKIP3K800?srnd=jp-homepage
媒体名: ブルームバーグ
掲載日: 2025年12月19日