世界を揺らす関税の波 東南アジア経済と投資家の視点
「またトランプ氏が世界を振り回してるよ…」
そんな声がどこからか聞こえてきそうな今回のニュース。2025年に入ってからの「相互関税」の影響が、じわじわと世界経済に広がってきています。
特に影響が大きいのが、タイやベトナムといった東南アジア諸国。経済成長率が1ポイントも下方修正されたというのは、ちょっとした波どころか本格的なうねりになりそうな予感です。
アジア経済にかかる重たいブレーキ
タイ政府は、2025年の経済成長率見通しを2月時点の2.3~3.3%から、1.3~2.3%へと下方修正しました。その背景には、36%という重たい相互関税の影響があります。
この関税は、日本企業にとっても無関係ではありません。なんとタイには約6000社もの日系企業が進出しており、自動車業界ではトヨタやいすゞなどの存在感もかなり大きいのです。製造拠点として重視されてきたタイが減速すれば、連動して日本企業の収益にも影が落ちてしまいます。
ベトナムやシンガポールも軒並み減速
ベトナムでは、世界銀行が成長率見通しを1ポイント引き下げて5.8%に修正。シンガポールも0〜2%の成長にとどまると見られています。世界経済の中で“工場”としての役割を果たしてきた東南アジアですが、いまやその魅力に陰りが見えてきたとも言えそうです。
ベトナムのEVメーカー・ビンファストも「輸送費と関税が足かせになっている」として、米国市場への拡大を急がない姿勢を明らかにしました。
アメリカの一手で揺れる世界経済
もちろん今回の関税政策、米中間では関税の引き下げ合意もあって、一定の進展は見られます。でも、それ以外の地域にはその恩恵は届かず、むしろ不確実性だけが増している状況です。
しかも、政策の発表がSNSでなされるという現代的(?)なスタイルには、さすがに「え、そこ!?」と感じてしまいますよね。広告収入でも狙っているのでは…なんて、ちょっとした皮肉も浮かびます。
欧州も無傷ではいられない
遠く離れた欧州でも、その影響は出始めています。ドイツは成長率ゼロという厳しい見通し。厳格だった財政規律も緩和に向かっていて、今後10年間で約163兆円規模のインフラ・防衛投資が予定されています。ただ、そうした政策が効いてくるには時間がかかるため、当面の景気は重い足取りになりそうです。
投資家としてどう考える?
こんなとき、私たち投資家が大切にしたいのは、短期的なニュースに振り回されず、大きな流れを意識すること。東南アジアが揺れているなら、その波がどこに届くのか、逆にどの分野が強くなっていくのか、俯瞰的な視点を持つチャンスでもあります。
世界の市場は常に変動していますが、その裏側には人々の生活や企業の活動がある。だからこそ、政治や政策が経済に与える影響を、丁寧に見ていくことが大切なのだと思います。
まとめ:世界はつながっているからこそ、お金の動きも“広く見る”が大事
今回のニュースは、経済の教科書に載っていそうな「関税が貿易をどう変えるか」というテーマを、リアルな事例で示してくれたように感じました。
「時間を味方につける」ことの大切さは、長期投資の基本。でも、今この瞬間に何が起きているのかも知っておくことで、その時間がもっと意味のあるものになるかもしれません。
まずは、ひとつのニュースからでもいいんです。少しずつ経済の仕組みに目を向けてみることが、投資の世界への扉を開くきっかけになるかもしれませんよ。
米関税、東南ア成長下振れ タイやベトナムは1ポイント
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88781880Q5A520C2EA2000/
データ元:日経新聞 2025/5/20
