マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年5月20日

プロの投資家が中国株から手を引いた理由と、その裏側にある“投資の流儀”


最近、株式投資に興味を持ち始めた方は、こんな疑問を持ったことがあるかもしれません。

「中国株ってどうなんだろう?」

勢いがありそうな一方で、どこか不安な印象もある中国株。今回紹介するのは、まさにその“もやもや”をプロの投資家たちがどう判断したかという話です。


売り時を逃さない、一流投資家たちの動き

2025年1〜3月の米証券取引委員会(SEC)への報告書を分析すると、ジョージ・ソロス氏やデビッド・テッパー氏といった米国の著名投資家たちが、中国のテック株を次々と売却していたことが明らかになりました。

たとえば、ソロス・ファンドは中国EC大手のJDドットコム株を9割以上も手放し、テッパー氏のファンドもバイドゥやPDDホールディングス(Temuの親会社)などの保有比率を大きく下げています。

タイミングとしては、ちょうど中国のAIスタートアップ「DeepSeek」の台頭や、中国政府のAI政策強化により、中国株が急騰していた時期。いわば“いいとこで売った”という印象です。


なぜプロは手を引いたのか?

ここが一番興味深いポイントです。相場が上がっている最中なのに、なぜ売ったのか?

それはやはり、“中国という市場特有のリスク”が背景にあると考えられます。

・政府の方針次第でルールが一夜にして変わる
・決算や財務情報への信頼性に不安が残る
・米中関係の悪化による政策リスクの高まり

これらの懸念は、一般の個人投資家よりも、むしろ機関投資家の方がよりシビアに見ています。勢いに乗るだけではなく、撤退のタイミングも冷静に見極める。それがプロの流儀です。


そして次のターゲットは「アメリカの内需」や「安全資産」へ

中国株から手を引いた投資家たちが次に注目したのは、米国の電力やインフラ関連の銘柄でした。たとえば…

・ソロス・ファンドは太陽光パネル大手「ファースト・ソーラー」を買い増し
・タイガー・グローバルやツーシグマはGEベルノバ(発電設備関連)に新規投資
・サード・ポイントは不動産データ分析のコスター・グループに資金を移動

つまり、より“足元がしっかりしている”ビジネスに目を向けた形です。


金やETFにシフトする投資家も

興味深いのは、さらに一歩引いた姿勢をとる投資家もいたことです。

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイは、銀行株を大きく減らし、シティグループの株はゼロに。一方で、レイ・ダリオ氏のブリッジウォーターは、S&P500のETFを6割減らす一方で、金価格に連動するETFを新たに買っています。

「今はちょっと慎重にいこうか」というムードが、じわじわと広がっていたことがうかがえます。


相場は予測できない。だから“引き際”が大事

今回の記事で印象的だったのは、誰も「今後の中国株は下がる」と断言していないこと。むしろ、足元では関税の緩和合意が見え始めており、「これから上がるかも」という声すらあります。

でも、相場というのは“先のことが読めない”世界です。だからこそ、利益が出ているうちに引いておく。そんな姿勢もまた、大切な投資スキルの一つなんだと思わされます。


まとめ:投資は“勇気”だけでなく、“見極め”も必要

「上がってるから買う」「盛り上がってるから乗る」
こういう気持ち、投資をしていると誰でも持つと思います。
でもそれと同じくらい、「このへんで一度距離を置こう」という感覚も大事です。

プロの投資家が中国株から静かに手を引いたこのタイミング。そこには「流れに乗る勇気」と「降りる冷静さ」の両方がありました。

私たちも、小さな投資を始める時に、そんな“バランス感覚”を少しずつ身につけていけたら良いですよね。


米著名投資家、中国テック株を売り抜け ソロスやツーシグマ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1826U0Y5A510C2000000/
データ元:日経新聞 2025/5/19