
投資入門:投資で狙う利回りは何%が現実的?
若いうちに考えるべき「目標利回り」の話
「投資って、どれくらい儲かるの?」
初めて投資に関心を持ったとき、多くの人が真っ先に気にするのが利回りです。
「銀行に預けるよりは少し上回りたい」から「どうせリスクを取るなら1年で倍にしたい!」まで、人によって欲しいリターンはバラバラ。でも実際に目標とする利回り(リターン)をどう設定するかで、その後の投資行動は大きく変わってきます。
今回は「目標利回りの考え方」について、シンプルな数字を使いながら整理してみます。
利回りは「夢」ではなく「計画」
まず押さえておきたいのは、利回りは「なんとなく高ければいい」というものではなく、将来の目的から逆算して決めるべきということです。
- 5年後に家の頭金を作りたい
- 10年後に子どもの教育費を増やしたい
- 30年以上かけて老後資金を積み立てたい
目的によって必要なリターンとリスクの取り方は違ってきます。
マネサバくん:おじさん、僕だったら『リスク取るなら1年で倍!』って夢見ちゃうよ!
私:それは宝くじに近いね。投資はギャンブルじゃない。必要な金額と期間から逆算して、どれくらいの利回りが必要かを冷静に計算するのが大事なんだよ。
マネサバくん:うーん、やっぱり現実は厳しいのかぁ…。
老後資金を例に考える
金融庁の報告などでも取り上げられた「老後2000万円問題」。実際には3000万円くらいを目安にする声も多いです。
例えば20歳の人が60歳まで働き、その後100歳まで生きるとしましょう。ざっくり月27万円が生活費とすると、40年間で必要な資金は約3,000万円。
じゃあ積み立て投資でこの金額をどう作るか?シミュレーションしてみましょう。
毎月1万円を40年間積み立てると、利回りによってこんな差が出ます。
- 年1% → 約590万円
- 年3% → 約926万円
- 年5% → 約1526万円
- 年7% → 約2624万円
1%と7%では、同じ1万円を積み立てても結果は4倍以上違います。これが「利回り設定の重要性」です。
マネサバくん:え!7%なら結構増えるね。でも1%だと…全然足りないじゃん!
私:そうだろう?だから銀行預金だけで将来を乗り切るのは難しいんだ。複利の力を味方につけると、時間が資産を大きく育ててくれる。
マネサバくん:なるほど、複利って雪だるまみたいに大きくなるイメージなんだね。
積み立て額と利回りの組み合わせ
もちろん積み立て額を増やすことで、利回りを低めに設定しても目標に届きます。
例えば毎月1万5000円を積み立てて、利回り6%で運用すると40年後には約2987万円。ほぼ3000万円に届きます。
さらに「もし利回り10%で40年続けられたら…」という夢の計算も。なんと毎月5000円でも約3160万円に。
ただし10%を40年維持できる投資商品は現実的にはほとんど存在しません。
実際に目指せる利回りは?
ここで参考になるのは過去の株式市場の実績です。
- NYダウ(米国株式の代表的指数):過去30年の平均年率リターンは8.81%
- 日経平均(日本株式の代表指数):1985~2025年の平均は5~7%程度
つまり「着実に7%程度を狙う」のが現実的な目標になります。
ウォーレン・バフェットは60年近く20%超の利回りを維持してきました。だから「投資の神様」と呼ばれるわけです。でも神様の領域を目指す必要はありません。むしろ「7%を長く続ける」ことが凡人投資家の最適解だと私は考えています。
マネサバくん:おじさん、7%でも十分大きいね!僕、最初は1年で倍を目指してたけど、現実を知って落ち着いたよ…。
私:そうそう。投資のコツは『欲張りすぎないこと』。欲をかきすぎると大きく失敗するんだ。7%でコツコツ積み立てるのは、凡人が神様に近づくための王道なんだよ。
マネサバくん:なるほど…僕も7%を目指してみようかな!
今回の話をまとめると
- 目標利回りは「夢」ではなく「目的からの逆算」
- 複利の力は小さな差を大きな差に変える
- 長期で7%を狙うのが現実的かつ理想的
投資は短距離走ではなくマラソン。特に20代・30代で始めれば「時間」という最強の味方を得られます。
今からExcelや計算アプリを使って、自分の「目標金額」「運用期間」「積立額」から必要利回りを計算してみましょう。シンプルですが、これが投資計画の第一歩です。
こちらから毎月の積立金額と利回り、積立年数で最終的な金額を計算できるExcelがダウンロードできます。
まとめ
「貯金よりちょっと多ければいい」「一発で大きく増やしたい」
投資を始める前にそんな期待を持つのは自然なことです。
でも、最終的に必要な金額と期間を考え、そこから逆算して利回りを設定すれば、投資は「夢物語」から「現実的な計画」に変わります。
凡人でも7%を積み重ねれば、40年後には神様に負けない未来を描ける。
そう思うと、ちょっとワクワクしませんか?