マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年2月14日

銀行の貸出金利が上昇中。でもその裏側は?

2024年12月、銀行の新規貸出金利が約12年ぶりの高水準に達したそうです。日銀のデータによると、国内銀行の新規貸し出し平均金利は1.132%。一見すると、金利が上がって銀行の業績も好調、という流れに見えます。

特に目立つのは短期貸出金利の上昇です。地銀は1.054%、第二地銀は1.044%と、前月から一気に上がりました。背景には日銀が2024年7月に政策金利を0.25%、さらに2025年1月に0.5%に引き上げたことがあります。これを受け、都市銀行や地銀が基準となる短期プライムレート(短プラ)を引き上げ、企業向け貸出金利も連動して上昇してきました。

貸出金利の上昇は銀行にとって追い風。たとえば千葉銀行は、貸出金利の上昇が業績を押し上げ、純利益が過去最高を記録したと報じられています。貸出しの平均金利も順調に上がっており、地銀全体でも業績改善が広がっています。

でも、本当に安心していいの?

銀行が好調だと聞くと、ちょっと安心感を覚えますよね。でも、経済学的に見ると、貸出金利が上がる一方で、銀行が抱えるリスクも無視できません。

実は、多くの地方銀行は、長期国債をかなりの規模で保有しています。金利が上がると、国債の価格は下落します。これが進むと、保有している国債に含み損が生じ、バランスシートが圧迫されるリスクが出てきます。特に金利上昇局面では、こうした含み損がどれくらい膨らんでいるのか、なかなか表には見えにくいものです。

金融機関にとって、貸出金利の上昇は収益面でプラスかもしれませんが、その裏側で資産価値が目減りするリスクも抱えている。これはリスクとリターンが常に表裏一体である、という金融の基本に通じます。

金利上昇が意味するもの

もうひとつ、金利上昇は借り手にとっても大きな負担になります。特に中小企業は資金繰りが厳しくなるかもしれません。金利負担が重くなれば、設備投資を控えたり、最悪の場合、借入れ自体を見送る企業も出てくる可能性があります。

こうした影響は、やがて景気全体にも波及することが考えられます。経済学の教科書でいう「金融引き締め効果」ですね。金利が上がると、企業や個人が借入れを控え、経済活動が縮小する方向に働く。つまり、金利上昇は単に銀行にとっての追い風というだけでは語れない問題を含んでいます。

ちょっと視点を広げてみると

今回のニュースは、銀行の業績が良いという側面を伝えつつも、その背景にあるリスクにはあまり触れられていません。こういう時こそ、少し立ち止まって、数字の裏側を考えてみると面白いかもしれません。

たとえば、銀行の業績が上向いているからといって、すぐに金融株に飛びつくのではなく、金利動向や保有資産のリスクも意識しておく。あるいは、金利が上がる局面ではどんな資産が有利なのかを考えてみる。そうやって視野を広げることで、自分のお金の置き場所についての考え方も変わってくるかもしれません。

もちろん、すぐに何かを決める必要はありません。でも、こうしたニュースに触れたときに、少しだけ経済の動きに敏感になってみる。そんな姿勢が、これからの資産形成にもつながっていく気がします。


銀行の新規貸出金利、12年ぶり高水準 日銀の利上げ反映

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB130ZT0T10C25A2000000

日経新聞 2025年2月13日