マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年10月1日
マネサバくん困った

米政府機関閉鎖と市場の行方

2025年10月1日、米国で約7年ぶりとなる**政府機関の閉鎖(Government Shutdown)**が始まりました。原因は、つなぎ予算が期限内に成立しなかったこと。トランプ大統領と民主党の対立が解けず、ついに政治の混迷が現実の行政停止に及んだのです。

「不可欠な業務」は継続されるものの、国民向けのサービスは大きく停止。数十万人規模の職員が一時帰休となり、経済や雇用統計の発表にも遅れが出る見通しです。

ここで気になるのは、こうした政府閉鎖が金融市場にどう影響するかという点です。


マネサバくん:おじさん、アメリカが政府閉鎖って…国ごと止まっちゃうの?すごく怖いんだけど!

:いや、完全に止まるわけじゃないんだ。軍や警察などの必須サービスは続く。でも統計の発表や一部の公共サービスは止まる。経済にじわじわと影響が出るんだよ。

マネサバくん:なるほど…でも投資家にとっては“情報が遅れる”ってかなり不安材料だね。


政府閉鎖の経済的影響

ブルームバーグによれば、今回の閉鎖が3週間続けば失業率が0.3~0.4ポイント悪化すると試算されています。さらにトランプ大統領は「連邦職員の大量解雇」も示唆しており、影響は一時的では済まない可能性があります。

過去の事例を振り返ると、2018~2019年の5週間にわたる政府閉鎖では、GDPの減少分110億ドルのうち30億ドルが回復しなかったと議会予算局(CBO)は報告しています。つまり、一度失った経済活動の一部は戻らないということです。


マネサバくん:おじさん、でもアメリカっていつも閉鎖しても結局立て直してきたよね?

:その通り。閉鎖が解ければ経済は一部戻る。ただし、今回はトランプ大統領が“閉鎖を利用してリストラ”を進める可能性があるんだ。そうなれば単なる一時的な問題ではなく、構造的に影響が残るかもしれない。

マネサバくん:うーん、やっぱり今回はちょっと違うんだね…


FRBと金融市場への影響

ここで注目すべきは**FRB(米連邦準備制度理事会)**の対応です。政府閉鎖中は経済指標が発表されないため、金利政策の判断材料が減ります。

さらに問題なのは、景気悪化を受けてFRBが利下げせざるを得ない状況に追い込まれる可能性です。しかし、インフレが高止まりする中で利下げすれば、まさに1970年代の“スタグフレーション”を再現しかねません。

投資家にとっては「政策金利は下がるのに長期金利は上がる」という逆の動きが最も怖いシナリオです。これは「FRBが利下げしても市場が信用しない」という状態で、アメリカ国債の信頼そのものが揺らぎかねません。


マネサバくん:え、FRBが利下げしても金利が上がることってあるの?矛盾してない?

:理屈だけ聞くとそう思うよね。でも市場は“インフレが進んでドルの価値が下がる”と判断したら、高い金利じゃないと国債を買わなくなるんだ。つまり、FRBが舵を切っても市場が無視する可能性がある。

マネサバくん:それって…コントロール不能ってこと?怖すぎる!

:そう、1970年代にも似たようなことがあった。だから投資家は“歴史の教訓”を見直す必要があるんだよ。


投資家にとってのリスク

では、今回の政府閉鎖をどう投資戦略に結びつければ良いのでしょうか。

  1. 米国債の信頼性リスク
    インフレ下での利下げはドル安を招き、米国債の魅力を削ぐ可能性があります。安全資産とされてきた米国債が、逆にリスク資産と見られる展開も想定されます。
  2. 株式市場の不透明感
    政府閉鎖は短期的に株式市場の変動を拡大させます。特に雇用統計やGDP速報など重要データが遅れれば、市場は“暗中模索”のまま取引を強いられることに。
  3. コモディティ市場の注目
    信用が揺らげば資金は金や原油といった実物資産に流れます。歴史的にも政府閉鎖や財政不安の時期には金価格が上昇しやすい傾向があります。

日本への波及

ここまでアメリカの話をしてきましたが、日本にとっても無関係ではありません。アメリカ国債は日本の外貨準備の中心であり、その信頼が揺らげば円高リスクが高まります。

さらに日本自体も巨額の債務を抱えており、「アメリカが大丈夫なら日本も大丈夫」という安心感が崩れた時、日本国債への信頼も試される可能性が有ります。


まとめ:歴史から学ぶ投資姿勢

米政府機関の閉鎖は、これまでも何度も繰り返されてきました。しかし、今回の特徴は「トランプ政権が閉鎖を積極的に利用しようとしている」点にあります。短期的な混乱にとどまらず、長期的な構造変化のきっかけになる可能性があるのです。

投資家が学ぶべきは、市場は政治の一歩先を読んで動くということ。FRBの発表や政府の声明に振り回されるのではなく、歴史を踏まえて「もしも」のシナリオを常に考えておくことが大切です。


出典

タイトル:米政府機関の閉鎖始まる-トランプ氏と民主党の対立解消せず
URL:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-01/T3FPSOGOYMTL00
媒体名:ブルームバーグ
日付:2025年10月1日