株が下がると国債が買われる?──市場の動きをやさしく解説
2月3日、日本の長期金利が1.23%に低下しました。これは国債の価格が上がったことを意味しています。背景には、株式市場の大幅な下落がありました。この日、日経平均株価は一時1100円以上も下がる場面があり、投資家の間でリスクを避ける動きが強まったのです。
こうした流れは、金融の基本的な知識で説明できます。株価が下がって市場に不安が広がると、多くの投資家はリスクを取りたくなくなります。そこで比較的安全と考えられている資産、たとえば国債に資金を移動させる動きが強まるわけです。国債は国が発行するものなので、返済不能になるリスクが低いと見なされています。
国債の価格が上がると、逆に利回り(金利)は下がります。たとえば、100円で年2円の利息がつく債券があるとします。この債券が110円に値上がりすると、利回りは2/110で約1.82%に低下します。債券価格が上がると利回りが下がる、この関係性は金融市場を理解するうえでとても重要なポイントです。
今回の動きは、株安と国債高、そして金利低下という流れが典型的なパターンとして現れたものでした。実際のニュースを通じてこうした理論を感じられるのは、金融に興味を持つうえでも良いきっかけになるかもしれません。
さらに背景を見てみると、アメリカの政策が影響していました。トランプ前大統領がカナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を課すと発表したのです。こうした動きにより、世界経済の先行き不安が高まりました。加えて、アメリカではインフレ圧力が強まっており、米国の長期金利は4.54%まで上昇。これを受けて日本の債券市場でも週明けに売りが先行しましたが、最終的にはリスク回避の動きが強まって国債が買われ、金利は下がりました。
また、日本銀行(日銀)の金融政策についても触れておきましょう。この日発表された会合要旨では、「利上げに慎重なトーンは見られない」という見方が示されましたが、利上げのペースや到達点については明確な情報がありませんでした。このため、市場参加者の間でも、どちらに動くかの判断が分かれていたようです。
中期債(2年債、5年債)も一時的に売られて利回りが上昇しましたが、のちに買い戻され、結局は利回り低下に転じています。超長期債(20年、30年)でも似たような展開が見られました。
ちなみに、債券先物市場でも動きがありました。3月限月の債券先物は140円90銭と前週末より23銭高い水準で午前の取引を終了。朝方は下げていたものの、10時過ぎには141円03銭まで上昇する場面もありました。
短期金融市場では、無担保コール翌日物金利(TONA)は0.47%台後半で推移しており、こちらは比較的落ち着いた動きでした。
こうしたニュースを見て、「株や債券、金(ゴールド)ってどういうふうに動くんだろう?」と感じた方もいるかもしれません。もちろん、すぐに投資を始める必要はありませんが、経済や金融の流れに少し目を向けるだけでも、将来に向けた知識の土台になります。
ニュースが少しわかるようになると、経済の見方がぐっと広がります。今回のような「株が下がると国債が買われ、金利が下がる」というパターンも、知っておくだけでニュースの見方が変わってくるはずです。ぜひ、日々の経済ニュースに少しだけでも関心を持ってみてください。そこから始まる世界は、意外と面白いものですよ。
債券11時 長期金利、1.23%に低下 株大幅安で買い
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL030JJ0T00C25A2000000
日経新聞 2025年2月3日
