30年後の大学はこう変わる 英語と留学生が当たり前に
日本の大学が、静かに、しかし確実に変わりつつあります。2050年には18歳人口が今より4割減少するという予測の中、国内の若者だけに頼った大学運営は成り立たなくなります。そんな未来を見据え、今、日本の大学は留学生の受け入れと国際化に向けて大きく舵を切ろうとしています。
未来型キャンパス、既に始動
たとえば大分県の立命館アジア太平洋大学(APU)。100を超える国と地域から集まった留学生と日本人学生が半々という環境で、英語・多文化共生はすでに日常です。宗教や文化に配慮した食事、祈りの場、英語対応の医療スタッフまで揃い、留学生にとっても、日本人学生にとっても、学びの幅が広がる場となっています。
国立大学協会も、2040年までに国立大学の留学生比率を3割に引き上げる目標を掲げ、東京大学は修士課程まで一貫した5年制コースをつくり、その半数を留学生にする計画を進めています。早稲田大学も、32年までに全学生の2割を留学生にする方針です。
英語力と多様性が必須に
これからの大学では、英語で授業を受けることが当たり前になるでしょう。英語での講義に対応できる教員、そして英語で議論に参加できる学生の育成が不可欠です。AI翻訳が進化しているとはいえ、自分の言葉で深く議論し、考えを伝えられる力は、まだまだ人間にしかできないスキル。アメリカ株式市場への投資や、グローバルビジネスに興味がある人にとっても、英語力は間違いなく武器になります。
また、日本語教育の充実も同時に求められます。留学生にとって日本での生活、就職を目指すために日本語は不可欠。逆に言えば、日本の大学が世界に通用する人材を輩出するには、日本人学生も異文化理解力を高める必要があるということです。
留学生は社会を支える存在に
単に人口減少の穴埋めとしてではなく、留学生を「未来の社会を共に支える仲間」と捉える視点も大切です。実際に、海外の若者たちの間では日本人気は高まっており、治安の良さ、学問の自由、文化的多様性への寛容さが評価されています。インドネシアやベトナムの学生たちが、日本での学びや将来の就職を目指して熱い視線を送っています。
国際競争に勝つために
とはいえ、楽観はできません。韓国や台湾、ベトナムといったアジアの国々も、教育の国際競争力を急速に高めています。ベトナムの大学はオーストラリアの大学と提携し、ダブルディグリーを取得できる制度を導入するなど、魅力的な選択肢を提示しています。
日本も、学際的な教育プログラムを整え、議論型・参加型の授業を増やし、自由でオープンな学びの場を作らなければなりません。留学生が伸び伸びと学び、そして卒業後には日本社会の中核で活躍できるような環境作りが急務です。
投資家の目線で見る未来
我々投資家にとっても、これは無関係ではありません。人口減少は長期的に経済全体にインパクトを与えますが、教育の国際化は日本経済の持続的成長へのカギにもなり得ます。これからグローバル化が進む日本企業や、国際競争力を高めた大学に関わるセクターは、中長期的に投資先としても注目しておく価値がありそうです。
そして何より、英語力を磨くこと。アメリカ株への投資を考えるなら、英語の情報をダイレクトに理解できる力は、他の誰にも奪われない大きなアドバンテージになるはずです。学び続けること、それが未来のチャンスをつかむ第一歩ですね。
30年後の大学、留学生が3割 英語での授業当たり前に
日経新聞 2025/4/27
