市場が求めるのは「攻める強靱企業」
トランプ関税ショックで世界の株式市場が荒れるなか、ひときわ輝きを放っていたのが「強靱企業」たち。歴史的な危機を何度も乗り越え、成長を止めなかった企業には、やはりマネーが集まっていました。
危機を乗り越えた47社
2000年度から2023年度までの四半世紀において、減収決算が3期以下、かつ営業利益率を高め続けた日本の上場企業はわずか47社。リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍といった大波を乗り越えたこれらの企業の株価は、市場全体が16%も下げた局面でも、わずか2日しか前月比でマイナスにならなかったといいます。
これが示しているのは、単なるディフェンシブ銘柄ではなく、攻め続けた企業こそが真に強い、という事実です。
ユニ・チャームとアインHDに学ぶ攻めの経営
たとえばユニ・チャーム。アジア市場への早期進出と、出生率・高齢化という市場ニーズを読んだ事業展開で、海外売上比率を13%から66%へ。攻めの投資を続けながらも、着実に利益率を高めてきました。
一方、北海道発のアインホールディングスは、約250社の調剤薬局をM&Aで取り込み、利益率を2倍近くに引き上げ。市場の期待に応え、批判も受けながら成長を続けています。最近は1兆円企業を目指すという大型計画を打ち出し、マーケットは厳しい目を向けつつも、注目を集めています。
「守り」の時代にこそ「攻め」が光る
世界のファンドマネジャーに対する調査では、企業に求めるのは「バランスシート改善」が43%でトップ。リスク回避のムードが強まっているのは確かです。しかし、歴史を振り返れば、リスクを取った企業こそがその後の大きなリターンを掴んできたのも事実。
リーマンショック時にモルガン・スタンレーに9000億円を投じた三菱UFJは株価を3倍に伸ばし、出資を見送ったみずほはわずか30%高。攻めた者だけが報われたのです。
バフェットも狙う、強靱で攻める企業
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハザウェイは、手元資金を円換算で約47兆円に膨らませています。次にどんな企業をターゲットにするのか、世界中の投資家が注目していますが、彼が求めるのは一貫して長期的に成長し続ける、攻める企業。守ってばかりの企業は、もはや彼の投資リストにはないのです。
投資家として今考えたいこと
我々も、単にディフェンシブな銘柄を追い求めるだけでいいのでしょうか。守るだけではなく、危機をチャンスと捉えて攻め続ける企業にこそ、長期的なリターンが待っているかもしれません。
最近の証券会社のスクリーニング機能を使えば、こうした「減収決算が少なく、かつ営業利益率を高めてきた企業」を探し出すのもそれほど難しくはありません。リスクを取ることと、無謀になることは違う。市場が混乱している今だからこそ、自分なりの「攻め」の視点を持つことが、次のステップに繋がると信じています。
強靱企業にカネは集まる 株式市場が求める「攻め」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD210QV0R20C25A4000000
日経新聞 2025/4/23
