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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年5月19日

プラザ合意の再来?危ういドル防衛と“自滅の賭け”


2025年、プラザ合意からちょうど40年。
「プラザ合意2.0」なんて言葉が静かに浮上してきました。過去の歴史をなぞるように、米国が再び“ドル高是正”を模索しているのではないか?という見方です。

でも、ちょっと待ってください。本当にまた、あの歴史が繰り返されるのでしょうか?


そもそもプラザ合意って?

1985年、日米英独仏の5カ国がニューヨークのプラザホテルに集まり、ドル高を是正するための協調介入を決めたのが「プラザ合意」です。これによって急激なドル安が進み、日本円も大幅に上昇しました。

当時のアメリカは、「双子の赤字」(財政赤字と経常赤字)に悩まされていて、なんとかドルの価値を下げて自国の輸出産業を元気にしたかったわけです。


今回の状況、確かに似てる…けれど?

現在のアメリカも、当時と同じように双子の赤字を抱えています。でも、桁がまるで違います。2024年の貿易赤字は1.2兆ドル、財政赤字は1.8兆ドル。85年当時の10倍以上です。

さらに、今の世界はグローバル化が進み、通貨や貿易のバランスも複雑化しています。そんな中で昔と同じように“主要国で手を取り合って為替をコントロール”なんてことが、果たして現実的でしょうか?

そして何より、今回の主導者がトランプ大統領というところが、より一層の不安を呼び起こします。


関税戦争と“通貨防衛”のミスマッチ

記事では、トランプ政権が進める「保護主義的な関税政策」が、実は“ドル防衛”という目的につながっているのでは?という見方が紹介されています。経済学の世界では「トリフィンのジレンマ」と呼ばれる理論も登場します。

ざっくり言うと、基軸通貨(この場合はドル)を世界中に供給しようとすると、必然的にアメリカは経常赤字になります。そしてドルは割高になり、輸出競争力が下がる。つまり「世界に通貨を供給し続ける=自国経済の弱体化」というジレンマです。

でも、それを解決するために関税を使うって、本当に合理的なんでしょうか?

もし本気で“ドル安”を狙うなら、普通は関税ではなく、協調介入や金融政策の変更を考えるはずです。それなのに、まず出てくるのが“関税”というあたりに、やっぱり無理を感じざるを得ません。


危うさを感じるのは投資家も同じ

記事によると、最近ではロンドンの金融街でも「ドル離れ」が話題になっているとのこと。中東の政府系ファンドがドル資産のリスクを警戒して、分散投資に動いているそうです。

さらにムーディーズによる米国債の格下げも重なり、投資家たちの間で「ドルは本当に信頼できるのか?」という疑問が広がりつつあるようです。


投資家としてどう向き合えばいい?

結論から言えば、今すぐ何か大きなアクションを起こす必要はありません。ただ、「ドル一強」「アメリカは絶対安心」といった前提は、少し見直してみるタイミングかもしれません。

世界は変わります。基軸通貨だって、永遠ではありません。実際、BRICS諸国は独自の通貨構想を進める動きもあり、ドルの地位に挑戦するプレイヤーも出てきました。


まとめ:想定外の出来事こそ、備えのチャンス

今回の記事が示すように、「第2のプラザ合意」が本当に起きるかどうかは分かりません。むしろ、そこまで大げさなことにはならない可能性の方が高いでしょう。

でも、投資の世界では「ブラックスワン」、つまり“滅多に起きないけど、起きたら衝撃が大きいこと”に備えておくことがとても大切です。

未来は誰にも予測できませんが、少し先を見て動けるかどうかが、投資家としての差になります。今はまだ動かなくてもいい。ただ、“知っておくこと”が、将来の判断を大きく変えてくれるかもしれません。


関税戦争の背景にドル防衛 プラザ合意40年、危険な賭け

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN153740V10C25A4000000/
データ元:日経新聞 2025/5/19