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マネー・サバイバル

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2025年2月10日

大阪の不動産市場、1兆円突破。ホテル投資の今を読み解く

みなさん、こんにちは。今日は関西の不動産市場について、少し視点を広げて見ていきたいと思います。

2024年、関西の不動産取引額が初めて1兆円を超えた、というニュースが飛び込んできました。特にホテル市場が活況とのこと。大阪・関西万博やカジノを含む統合型リゾート(IR)開業を控えて、観光需要の高まりが背景にあるようです。

ホテル市場に吹く追い風

まず目を引くのは、ホテル売買の急増です。2024年の大阪圏における不動産取引額のうち、ホテルが占める割合は35%。前年の28%から大きく伸び、過去最高を記録しました。首都圏の6%と比べても、関西のホテル市場がいかに熱いかが伝わってきます。

例えば、USJの隣にある「ザ パーク フロント ホテル」は、東急と東急アセットマネジメントが立ち上げたファンドに約900億円で売却されました。また、カナダ系ファンドが大阪市内の高級ホテル「セントレジスホテル大阪」を約210億円で取得。改修してさらに価値を高める戦略のようです。

こうした動きの背景には、訪日外国人(インバウンド)需要の増加があります。2024年に大阪を訪れた外国人観光客は約1464万人と、コロナ禍前の水準を大きく上回りました。ホテルの平均客室単価も前年同期比で17%上昇しており、収益性の高さが投資家を引き寄せています。

不動産市場と金融の視点

こうしたホテル投資の盛り上がりは、単なる観光ブームだけでは説明できません。経済学的に見ても、今の関西のホテル市場は「期待収益率」の高さが際立っています。期待収益率とは、投資に対して将来どれくらいのリターンが見込めるかを示す指標ですが、観光客数増加と客室単価の上昇が続けば、投資の魅力は当然高まります。

一方で、海外投資家の存在感は9割近くが国内勢というデータから、若干トーンダウンしている様子もうかがえます。世界的な金利上昇で、海外投資家はリスクをとる不動産投資より、安定した債券に資金を移す傾向にあるからです。これも、金利とリスク選好という金融学の基本が反映された動きと言えるでしょう。

未来に向けた慎重な視点

ただし、楽観視ばかりはできません。記事でも指摘されている通り、25年には不動産取引額が縮小する見通しです。売り物件が減り、日銀の金融政策変更で金利が上がれば、投資コストも上昇するためです。また、ホテル業界では人手不足が深刻化しており、稼働率にも影響が出ています。収益機会が限られれば、投資のリターンにも直結します。

これらを踏まえると、今のホテル投資は「好条件がそろったからこそ盛り上がっている」という側面が強いことがわかります。バブル的な熱狂ではなく、堅実な成長が背景にある点は好感が持てますが、今後は慎重な見極めも必要になりそうです。


不動産投資って

「不動産投資」って聞くと、なんだかハードルが高そうに感じるかもしれません。でも実は、リート(不動産投資信託)を使えば、そこまで大きな資金を用意しなくても不動産市場に関わることができるんです。

今回紹介したような関西エリアの盛り上がりに、少しだけでも波に乗るチャンスがあるかもしれませんね。

もちろん、投資にはリスクもあります。でも、経済や金融の基本を知っていれば、不安を減らしながらチャレンジできる選択肢も広がります。

まずは、気になるニュースを追いかけたり、リートってどんなものか調べてみたり、そんなところからスタートしてみるのもいいかもしれません。ゆっくり、じっくり、自分のペースで。


関西の不動産取引、24年に初の1兆円超 ホテル売買活況

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF030V10T00C25A2000000

日経新聞 2025年2月10日