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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年5月13日

第一生命の投資戦略転換が示す、変化する保険業界の本気度


「保険会社って、運用はおまけで、本業は保障でしょ?」

そう思っている人は多いかもしれません。でも、今回の日経新聞の記事を読むと、どうやらその認識はアップデートした方が良さそうです。日本の大手生命保険会社・第一生命が、世界最大級の債券ヘッジファンドである「キャプラ」に追加出資するというニュースは、業界の新しい流れを象徴する出来事だと感じました。


年収43億円の世界で起きていること

キャプラという運用会社は、2005年に浅井将雄氏が創業した英ロンドン拠点のヘッジファンド。なんと運用資産は5兆円規模。しかも、日本国債の取引にも深く関与しているということで、債券市場では名の知れた存在です。

これまで、保険会社の債券投資といえば「満期まで保有して金利を受け取る」という地味で安定志向のスタイルが主流でした。しかし、その背景には超低金利という環境がありました。どんなに金利が低くても、価格変動リスク(時価のブレ)はあまり気にせずに済んだのです。

でも今は違います。米国の関税政策や日本の超長期国債の利回り上昇など、債券市場はかつてないほど不確実性が高まっています。これまでのやり方では、リターンもリスクも読みづらい時代に突入したというわけです。


「レラティブ・バリュー戦略」で勝つ時代へ

キャプラが得意とするのは、「レラティブ・バリュー戦略」という手法。簡単に言えば、似たような債券同士の価格差を狙って利益を出す、マーケット中立型の運用です。また、「クライシス・アルファ戦略」など、市場の急落局面を逆手に取って収益を出す技術も持っています。

つまり、今後の第一生命は、ただの安定志向ではなく、「リスクを読み、動かしていく」アクティブな運用スタイルへと踏み出す可能性が高まっているのです。実際、キャプラのようなヘッジファンドは、世界中の企業年金や政府系ファンドからも評価を受けており、時代の先を読む力に長けているのは間違いありません。


「脱・生保」が本格化する理由

日本の生命保険市場は、少子高齢化によって今後の成長が限定的。そこで、第一生命は保険事業だけでなく、運用事業での収益拡大を目指しています。修正自己資本利益率(ROE)を現在の8%から、2026年度には10%へ高めるという目標は、単なる表面的な数値目標ではなく、構造的なシフトを示しています。

すでに第一生命は、国内外で「プライベートデット」領域にも進出。これは企業に直接融資を行い、その利息収入でリターンを得るという手法で、銀行に代わって資金を供給するという新しい金融のかたちです。


投資家として考えるべきヒント

このニュースは、私たち個人投資家にとってもいくつかのヒントを与えてくれます。

まず一つは、「大きな資金を動かすプロたちは、どういう方向に舵を切っているか」に注目すること。債券は安定志向の代表みたいに語られがちですが、今やそこにもアクティブな戦略が必要になっています。

そしてもう一つは、「運用力が企業の価値を決める時代が来ている」ということ。企業がどれだけうまく資金を動かせるかは、収益構造に直結します。長期投資の視点では、こうした転換点を見逃さないことが大切です。


まとめ:変わる保険、変わる資産運用

今回の第一生命とキャプラの提携は、「保険=安定」から「保険+攻めの運用」へと時代が動いている証拠。そしてその背景には、金利環境の変化や市場の不確実性があります。

株式や債券、為替といった資産に関わる投資家として、こうした大きな動きをしっかり読み取っていくことが、これからの時代における投資判断のカギになるはずです。


第一生命、英キャプラをグループ会社に 世界最大規模の債券ファンド
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB100XX0Q5A510C2000000/
データ元:日経新聞 2025/5/12