マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年5月12日

世界は「楽観モード」?チャートに頼りすぎない投資判断を考える


2025年5月の市場は、再び楽観ムードに包まれています。相互関税の波乱を経て、株式市場は急速に回復。S&P500も日経平均も大きく反発し、「強気相場入り」なんて言葉も聞こえてきます。

でも、こんな時こそ落ち着いて考えてみる価値があります。果たしてこの回復は本物なのでしょうか?


チャートが語る「現在」と投資家心理

多くの投資家が注目しているのが、いわゆる「200日移動平均線」。これは、過去200営業日の終値の平均を線でつないだもので、長期的な相場の流れを見る指標の一つです。

記事によれば、日経平均はこのラインを目前に控えており、今後の動向が注目されています。「ここを超えれば回復本格化」という期待と、「戻り売りで反落のリスク」という警戒が交錯しているのです。

また、米CNNの「恐怖と強欲指数」も、たった1ヶ月で「極度の恐怖」から「貪欲」へと急転換。市場心理がいかに一方向に振れやすいかが、よくわかるデータです。


でも、本当に楽観していいのか?

市場の回復の要因として挙げられているのは、トランプ前大統領による対中・対英の関税緩和交渉や、インド・パキスタンの緊張緩和など、いずれも“期待”に支えられたもの。

実体経済の回復や企業業績の改善はまだこれから、という段階です。13日の米CPI(消費者物価指数)や15日の小売売上高といった重要指標が控えており、ここで市場の“期待”が現実とズレていた場合、再び揺れ動く可能性も十分あります。

投資において「期待先行」の相場は、時として反動が大きくなります。


チャートだけで投資判断していない?

記事を読んで感じたのは、「チャートの節目を重視しすぎていないか?」という点です。確かにチャートは過去の価格変動の集積であり、投資家心理の軌跡を可視化する重要なツールです。

でも、それは“過去のデータ”でしかありません。未来の経済指標や企業業績、政治情勢、そして市場の期待と現実のギャップといった“ファンダメンタルズ”を無視してはいけないと感じます。

投資判断は、あくまでも複数の視点から組み立てるべきもの。チャートだけでは、相場の「なぜ?」には答えてくれません。


特に、これから投資を考えている若い世代に伝えたいこと

株式投資は、決してテクニカル分析の専門家だけが行うものではありません。

むしろ、これから資産形成を考える20代・30代にとっては、ファンダメンタルズに注目しながら、長期的な視野でコツコツと積み上げていく方が合っています。

ウォーレン・バフェットも、会社の価値に注目して長く保有するスタイルで資産を築いた一人。チャートではなく「企業の本質」に目を向けたからこそ、大きな成功を収めました。


まとめ:今週の相場は“見せ場”になるかも

今週は、米国の経済指標や企業決算、日本のGDP速報など、重要な材料が目白押し。相場の楽観ムードが試されるタイミングでもあります。

短期の値動きに一喜一憂するよりも、ファンダメンタルズの裏付けをしっかり見ながら、自分なりの「投資の軸」を持つことが、長期的には大きな差につながっていくはずです。

市場が騒がしいときほど、自分のペースを大事に。


世界株、楽観モードは本物か 「200日線」超えの攻防へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB110S30R10C25A5000000/
データ元:日経新聞 2025/5/12