マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年9月4日

トリプル安に揺れる東京市場と「日本版トラスショック」の影

2025年9月3日、東京市場は債券安・円安・株安のいわゆる「トリプル安」に見舞われました。ロイターの記事では、政局不安を端緒に投資家心理が揺らいだ様子が詳しく解説されています。

一見すると「また政局で市場が荒れているのか」と思われるかもしれませんが、今回の動きは従来の「政権交代リスク」とは違うニュアンスを帯びています。私の目には、単なる政治劇というより「財政拡張への市場の拒否反応」が強く表れているように見えました。


マネサバくん:おじさん、トリプル安って聞くとすごくやばそうに聞こえるけど、そんなに深刻なの?
:確かに印象は強いよね。でも記事にもある通り、今はまだ「本格的なリスクオフ」ではない。株式市場と債券市場では関心事が違うから、必ずしも全面的に危機とは言えないんだ。
マネサバくん:じゃあ安心していいの?
:いや、それが難しいところ。今回の政局次第では「日本版トラスショック」に繋がる可能性もある。安心して油断するのが一番怖いね。


トリプル安の背景

今回の市場変動の背景には、自民党の森山幹事長ら党四役の辞任表明があります。石破首相は続投を強調しましたが、もし退陣となれば「誰が次の総裁になるのか」という不透明感が高まります。その不透明感こそ、投資家の買い控えを誘発する大きな要因です。

特に注目すべきは、次期政権が「財政拡張的」な方向に傾く可能性が高いという点です。石破政権は現状「消費税減税に反対」という立場ですが、他の候補なら減税を旗印に掲げる可能性が高い。市場は「財政拡張=債務膨張リスク」と見て、拒否反応を示しているように思えます。

マネサバくん:でも減税って国民には嬉しい話じゃない?
:確かに短期的には嬉しい。でも財源が借金に頼れば国債価格が下がり、金利が急騰する。これがイギリスで起きた「トラスショック」だよ。日本で同じことが起きれば、国債市場が混乱して円も株も一斉に売られる可能性があるんだ。
マネサバくん:なるほど…。甘い話には必ず裏があるんだね。


超長期国債の利回り急上昇

今回の30年国債利回りは3.285%と過去最高水準に跳ね上がりました。これは今まで最大の購入者だった日銀が買わなくなった事と無関係では無いと思います。為替も148円台後半まで円安が進みましたが、本来なら輸出株の追い風となるはずが、自動車株や機械株は下落しました。これは政治の不透明感が企業収益のプラス効果を打ち消した結果です。

投資家の多くは、いまや「株式市場の需給や米国株の動向」に目を向けつつも、同時に国内の金利動向を注視せざるを得ない局面に来ています。金利がさらに上がれば、株式市場にとってもマイナス圧力になるからです。

マネサバくん:おじさん、じゃあ今は株より債券とか金の方がいいのかな?
:そうだね。今のように政局リスクと財政リスクが重なるとき、現物資産である「金」はリスクヘッジとして注目されやすい。株も短期的にチャンスはあるけど、長期で安心できるのはやっぱり金だろうね。
マネサバくん:やっぱり投資って「流行りもの」より「信頼できるもの」に資金を移すのが大事なんだね。


まとめ

今回のトリプル安は、単なる政局不安ではなく、財政拡張路線への市場の不信感を映し出したものだと考えています。もし次期政権が減税と財政拡張に突き進むなら、日本版トラスショックが現実になる可能性も否定できません。

投資家としては、国債市場の動きに敏感になりつつ、株・為替・金の相関を冷静に見極める必要があります。そして何より重要なのは「短期的な政治の甘言に惑わされず、長期的な信認を守る政策が取られるか」を注視することです。

今の日本市場は、見た目以上に不安定な地盤の上に立っているのかもしれません。


【出典】

・タイトル:アングル:トリプル安の東京市場、政局が端緒 リスク回避の本格化を懸念
・URL:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/GWNYXU54XFNPNM4Y2EA5EE6TLU-2025-09-03/
・媒体名:ロイター
・掲載日:2025年9月3日