マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年8月5日

スイスの相続税強化?それでも「富裕層」は世界を動かす


私: マネサバくん、スイスが相続税を強化するかもって知ってた?

マネサバくん: えっ、スイスってプライベートバンクで有名な、あの「お金の避難所」のスイスでしょ?うそ〜。

私: うそじゃない。相続資産が90億円以上の人に、最大50%の課税をする案が出て、国民投票になるんだってさ。

マネサバくん: 90億円!?…なんだ、ボクには関係なさそう(ペンギン界でも)。


スイスといえば「お金持ちが最後に逃げ込む国」のイメージを持つ人も多いでしょう。
金融の秘匿性、制度の安定性、そして何より税制の“ゆるさ”が魅力でした。

しかし今回の相続税案、スイス国内でも「さすがにやりすぎでは?」という声が多く、政治的にも既に上下両院が否決
行政府も消極的な姿勢を見せており、「法制化は難しい」との見方が大勢です。

…なのに、なぜ富裕層はもう逃げ出し始めているのか?


マネサバくん: えっ、まだ決まってないんだよね?逃げるの早くない?

私: 逆なんだよ、富裕層は「決まってから」じゃ遅いって知ってるんだ。だから動きも早い。

マネサバくん: 投資の世界と同じだね。噂で買って、事実で売る…みたいな?

私: そう。それに近い感覚だよ。お金がある人ほど、“予防行動”を徹底してるんだ。


富裕層の資産は、ただの“現金”じゃありません。
事業、ファンド、不動産、信託、国債…そして**「国そのもの」**が投資対象になります。

だからこそ、相続税が高くなりそうという“可能性”だけでも、国からお金が逃げていく。

この現象はスイスだけの話ではありません。
過去にはイギリスでも、国外資産にまで課税する相続税強化策を発表したところ、
富裕層が一斉に“資産の亡命”を開始。
逆に、ドバイやシンガポール、香港などの無税地域が注目を集めました。

つまり――
**「富裕層を敵に回すと、国ごと傾く」**というのは、現代の経済常識になりつつあるのです。


私: でもマネサバくん、日本もそろそろ考えなきゃいけないよね。これから高齢化で相続が爆発的に増えるし。

マネサバくん: うーん…日本はすでに相続税キツめですよね?たしか基礎控除もかなり低いし。

私: そう。スイスの“富裕層向け”の相続税ですら、日本では「庶民向け」に普通にかかる水準なんだよ。

マネサバくん: …お金、逃げちゃうかも…。


投資家として見るべき3つのポイント

「まだ起きていないリスク」でも動くのが大口資本
 ⇒ 富裕層マネーの移動は、政治の決定よりも“雰囲気”や“空気”で動く。

税制は「国家のブランディング」になりうる
 ⇒ ドバイや香港のような無税地域は、その“ブランド力”で企業や富裕層を呼び込んでいます。

日本の税制が資本を逃がすか、呼び込むかの分岐点に来ている
 ⇒ インバウンドに注力する今、富裕層ビザや税制優遇が「国家戦略」になる可能性も。


マネサバくん: おじさん、でもスイスが相続税を強化したら、その分お金がアジアに来たりするのかな?

私: それ、まさに今ドバイが狙ってる。シンガポールや香港も同じく。
どこが“次のスイス”になるかは、投資家目線でも注目ポイントだよ。

マネサバくん: なるほど…。相続税のニュースが、資産の“地政学”にまで影響するんですね。

私: そう。お金の動きはいつも静かで早い。そして、世界を変える。


まとめ

✅ スイスで90億円以上の資産に最大50%の相続税案が浮上
✅ 国民投票は行われるが、議会や行政府はすでに否決
✅ それでも富裕層の国外流出が始まっている
✅ 相続税は富裕層だけでなく、国家の魅力を左右する“通貨外交”ツール
✅ 日本も「相続をどう扱うか」が将来のマネーフローを左右する可能性大

投資家の目で見るなら、税制の変化は通貨・株価・不動産市場まで波及する重要ファクターです。
たとえ自分が90億円持っていなくても、その“動き”の裏を読むことが、資産を守ることにつながります。


【出典】

・タイトル:[FT]スイス、相続税強化巡り国民投票へ 富裕層の流出懸念
・URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0731D0X00C25A7000000/
・媒体名:日経新聞
・掲載日:2025年7月7日