
米金利高でもドル安?
トランプ発言で円高加速?米金利高でもドル安の謎
最近、為替相場がとんでもないことになっているね。ついこの間まで「いつ160円に戻るんだ?」なんて言われていたのに、あっという間に152円台。投資の世界は一寸先が闇、いや、一寸先がペンギン……あ、これは私の隣にいるマネサバくんのことだね。
今の相場で起きていることは、これまでの教科書通りにはいかない不思議な現象なんだ。特に「米金利高」なのに「ドル安」が進むという、ちょっと不気味な動きについて、しっかり整理していこう。
マネサバくん:おじさん~~~~!助けてよ!僕がコツコツ貯めた外貨預金の価値が、すごい勢いで減ってるんだけど!152円って何が起きたの?
私:おお、マネサバくん。朝から元気だね。今回の円高は、日本の介入期待だけじゃなくて、アメリカ側、特にトランプ大統領の発言がトドメを刺した形なんだ。
マネサバくん:トランプさんが何か言ったの?また「Twitter(現X)」で暴れたとか?
私:今は大統領だからね。記者から「ドル安が進んでるけど怖くない?」って聞かれて、「いや、グレート(素晴らしい)だ!」って答えちゃったんだよ。これで市場は「あ、大統領はもっとドル安にしたいんだな」って確信して、ドル売りが加速したわけ。
マネサバくん:ええっ!大統領が「安くなって嬉しい」なんて言うの?普通、自分の国の通貨は強いほうが自慢になるんじゃないの?
なぜトランプ氏はドル安を喜ぶのか?
普通に考えれば、自分の国の通貨の価値が下がるのは面白くないはずだよね。でも、トランプ氏には明確な狙いがあるんだ。
- 輸出を有利にしたい:ドルが安ければ、アメリカで作った製品(車や機械など)が海外で安く売れる。そうなれば、アメリカの製造業が儲かって、国内の雇用が増えるという理屈だね。
- 企業の負担を減らしたい:ドルが強すぎると、海外で稼いだ利益をドルに戻したときに目減りしてしまう。これを嫌がっているんだ。
だけど、これには大きな落とし穴がある。それが今の市場が一番恐れている「インフレ」なんだよ。
「米金利高」なのに「ドル安」という異常事態
ここが今回の記事の最大のポイントだ。本来、投資の世界には「金利が高い方の通貨にお金が集まる」という鉄則がある。アメリカの金利が高い(米金利高)なら、みんなドルを持って利息をもらおうとするから、ドル高になるはずだよね?
でも今は、米金利高なのにドルの価値が下がるという、あべこべな現象が起きている。これにはいくつかの理由が考えられるんだ。
1. インフレへの警戒
トランプ氏は高い関税をかけると宣言している。関税を上げれば輸入品の値段が上がる。そこにドル安が加わると、さらに輸入品が高くなる。つまり、ダブルパンチでアメリカ国内の物価が跳ね上がるんだ。この「悪いインフレ」を警戒して、投資家が「アメリカの債券(国債)」を売っている。債券が売られると金利は上がるけど、それは「期待」じゃなくて「不安」による金利上昇なんだ。
2. アメリカからの資産逃避
今の金利上昇は、アメリカの財政赤字が増え続けることへの不安も混ざっている。地政学的なリスク(戦争や対立)もあって、「ドルだけ持っていれば安心」という神話が崩れ始めているのかもしれない。金利が高くても、ドルの価値自体が下がるなら意味がないと判断されているんだ。
マネサバくん:おじさん、難しいよ!金利が高いのにドルが売られるなんて、ペンギンが空を飛ぶくらいありえないことじゃないの?
私:たとえが独特だね……。でも、まさにその「ありえないこと」が今起きているんだ。投資家は「金利で儲かる分よりも、ドルが安くなって損する分の方が多い」って怯え始めてるんだよ。
マネサバくん:じゃあ、これからはずっと円高になるの?僕の資産はどうなっちゃうの?
私:それがね、今夜(日本時間)にはFOMC(連邦公開市場委員会)があって、パウエル議長が会見するんだ。ここで彼が何を言うかで、また相場がひっくり返る可能性がある。
マネサバくん:パウエルさん!あの、いつも真面目そうな眼鏡のおじさんだね。彼が「利下げするよ」って言ったらどうなるの?
私:もし利下げを急ぐような発言があれば、さらにドル安が進むかもしれない。逆に「インフレが怖いから金利は下げられない」って言えば、またドルの買い戻しが入るかも……。正直、私にも読み切れないよ。実は私も、昨日ちょっとドルを買って大損したところだし。
マネサバくん:おじさん……ベテランなのにまた損したの?
円キャリー取引の逆回転という恐怖
記事の中には「円キャリー取引の逆回転」という言葉が出てきたね。これは初心者には少し難しいけど、今の暴落を理解するのに欠かせないキーワードだ。
- 円キャリー取引とは:金利がほぼゼロの「円」を借りて、それをドルに替えて、金利の高い「ドル資産」で運用すること。
- 逆回転とは:円高が進むと、借りた円を返す時のコストが上がってしまう。損をする前に、慌ててドル資産を売って円を買い戻す動きのこと。
これが一斉に起きると、雪崩のように円高・ドル安が進むんだ。今の152円への動きは、この「みんなが一斉に出口に殺到している状態」に近いと言えるね。
世界の投資家はどこにお金を逃がしている?
ドルが不安なら、投資家はどこにお金を置いているんだろう? バンク・オブ・アメリカの調査によると、今は以下の3つに人気が集まっているみたいだ。
- ゴールド(金):通貨としての価値が揺らがない究極の安全資産。
- 大手テック株:成長が期待できる巨大IT企業の株。
- ドルのショート(売り):最初からドルが下がることを見越して賭けること。
マネサバくんも、ドルだけに全振りするんじゃなくて、こういう分散投資を考える時期かもしれないね。
マネサバくん:おじさん、僕決めたよ。もうドルなんて信じない。全部お魚に変えて貯金……いや、貯魚する!
私:それは腐っちゃうからやめなさい。でも、今の相場は「今までの常識が通じない」っていうことだけは覚えておいて。トランプさんの気まぐれ一つで、1円2円なんて簡単に動いちゃうからね。
マネサバくん:おじさんも、損した分を取り返そうとして無茶しちゃダメだよ。目が血走ってるよ。
私:う、痛いところを突くね……。よし、今夜のパウエル議長の会見を一緒に見て、今後の作戦を立てよう。生き残ることが一番の勝ちだからね。
マネサバくん:了解!じゃあ、おじさんの奢りでおいしい回転寿司でも食べながら会議しようよ!
私:なんで私が損した日に、君に奢らなきゃいけないんだ……。
まとめ:今、私たちが注目すべきポイント
今回のニュースをまとめると、以下の3点に集約されるよ。
- トランプ政権のドル安容認:大統領がドル安を「グレート」と言ったことで、市場の下げ圧力が強まった。
- インフレと米金利高のジレンマ:関税やドル安で物価が上がる懸念があり、それが「悪い金利上昇」を招いている。
- ドルの独歩安:円に対してだけでなく、ユーロやスイスフランなど、あらゆる通貨に対してドルが売られている。
これから投資を始める人、あるいは既に持っている人は、一喜一憂せずに「今はそういう特殊な時期なんだ」と冷静に見守ることが大切だね。
【出典】
タイトル:円152円台前半 ドル指数4年ぶり安値、トランプ氏「素晴らしい」で下げ加速
URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27CT80X20C26A1000000/
媒体名:日経新聞
掲載日:2026年1月28日
