マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年12月2日
マネサバくん困った

日銀利上げは本当に可能か?

■ はじめに:植田総裁「今月にも利上げの可能性」

ブルームバーグの記事によれば、日銀・植田総裁が

「12月にも利上げの是非を判断したい」
と発言したことで、市場は一気にざわつきました。

長期金利は 1.87%(2008年以来の高水準)
円は一時 155円台半ばへ上昇
日経平均は 一時1000円超の下落

市場は「日銀はいよいよ利上げか?」と構えています。

しかし——
本当に利上げはできるのか?

この記事では、

途中、マネサバくんとのゆるい会話も挟みながら進めます。


利上げってそんなに大変なの?

マネサバくん:おじさん、日銀が利上げするってニュース、めちゃくちゃ騒がれてるよね?そんなに大ごとなの?

私:大ごとだよ。特に“今の日銀”には、利上げのハードルがものすごく高いんだ。

マネサバくん:ふむふむ、なんで?

私:理由は簡単。日銀は大量の国債を持っているから、金利が上がると“評価損”が一気に増えるんだ。


■ 今の日銀は国債が値下がりすると“損”をする構造になっている

日本銀行は異次元緩和の副産物として、
莫大な国債を保有しています。

その規模……
580兆円以上(公表ベース)

そして国債価格は、

金利が0.1%上がると、約3兆円値下がりする
という巨大な構造を持っています。

記事の評価理由に基づいて計算すると:

しかも日銀はすでに
2025年9月時点で32.8兆円の評価損
が発生している。

さらに9兆円増えたらどうなるか?

債務超過の可能性が現実味を帯びる。

つまり、
「利上げをやりたい」ではなく、
「利上げをすれば日銀が死ぬ」というレベルの問題なのです。


ETFの配当でも赤字?

マネサバくん:日銀ってETFもいっぱい持ってるんだよね?それはどうなるの?

私:そこも問題。ETFの配当より日銀が払う“利息”のほうが高くなる可能性がある。

マネサバくん:えっ…利上げしたら収支がマイナスに?

私:そう。ETFの含み益は37兆円あるけど、国債の評価損の増加がそれを上回る可能性があるんだよ。

マネサバくん:日銀…大丈夫なの…?


■ 植田総裁は本当に「利上げできる」のか?

記事では、

しかし最も重要な点は、

金融政策は中央銀行の“財務余力”を土台にしている
という現実です。

中央銀行といえども、

つまり理屈では——
「今は利上げすべき局面」
と説明できても、

現実には——
「利上げすると日銀が壊れる」
という矛盾が存在します。


■ 市場は「利上げ確率80%」でも…?

記事によれば、
金利スワップ市場では
12月利上げの織り込みが20%→80%超

これはほぼ“やる前提”の値動き。

しかしここで問題があります。

もし…

「やっぱり見送りです」
と言ったらどうなるか?

答えは簡単。

円が暴落する。

これまで市場に
「やるぞ」「利上げの地ならし」「条件は整った」
と散々言っておいて、直前でやめた場合、

市場の信頼が完全に崩れる。

円安は一気に進み、
物価はさらに上昇するでしょう。

つまり今回は


植田総裁はギャンブラー?

マネサバくん:おじさん、植田総裁ってギャンブラーなの?そんな無茶するの…?

私:ギャンブルとは言いたくないけれど、今回は本当に“どちらを選んでも痛手が出る局面”なんだよ。

マネサバくん:利上げしたら日銀が苦しくなる。しなかったら円が暴落。どっちもヤバいよね…。

私:そう。だから市場は今、緊張でピリピリしてる。12月18〜19日の会合は、日本の金融政策史の中でも特別な瞬間になる可能性が高い。


■ 利上げを「正常化」と言いながら誰も説明しない大問題

記事では植田総裁が

「景気にブレーキをかけるものではなく、アクセルを緩めるだけ」
と言っています。

ただし、これは建前。

本音は誰も言わないけれど、

この記事は金融政策の構造を専門家向けに書いていますが、
初心者にとって大切なのは難しい話ではありません。

日銀は今、両方の選択肢に大きなリスクがある状態に追い込まれている
という事実です。


■ 投資家はどう考えるべきか?

今回のテーマは日本経済の根幹に関わります。
投資家として注目すべきポイントは以下の4つ。

● ① 「政策ショックに備える」のが投資の基本

利上げがあれば株安、円高、債券急落。
見送りなら円安、輸入コスト増、株式は業種によって明暗が分かれます。

どちらに転んでも動くので、

分散とリスク管理が最優先。

● ② 中央銀行も万能ではない

今回のように「財務が政策を縛る」ことは世界的にも珍しくありません。
日銀も“神の機関”ではなく、大量の資産を抱える一法人なのです。

● ③ 日本は「金利正常化=国の痛み」を避けられない

金利を正常化すれば国の利払いが増え、
見送れば円安・物価高が続く。

投資家は今後10年のテーマとして、

高インフレと弱い円
に向き合う必要があります。

● ④ “政治の意向”が金融政策に影を落とす

高市政権の経済対策との整合性、
財務省との交渉、
世論への配慮。

中央銀行の独立性が揺らぐ局面では、
政策がより“読みにくくなる”ことも押さえておきましょう。


■ まとめ:12月の日銀会合は歴史的イベント

日銀は利上げするのか?
しないのか?

どちらに転んでも、
日本の金融市場にとって極めて大きな出来事になります。

私自身、普段は日銀の会合を軽く眺めているのですが、
今回は素直に「怖い」と感じています。

12月18〜19日は、

日本経済の未来に何らかの決定的な一歩が刻まれる日
になるかもしれません。


【出典】

タイトル: 日銀総裁、今月にも利上げ行う可能性を示唆-「是非を適切判断」
URL: https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-12-01/T6D6DKKJH6V400
媒体名: ブルームバーグ
掲載日: 2025年12月2日