マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年11月14日
マネサバくんびっくり

ストに終止符、労働市場の強さ

ボーイングで続いた「101日間の戦い」が終わった

アメリカ大手航空機メーカー「ボーイング」で続いていた長期ストライキが、ついに終わりを迎えました。
驚くべきは、その期間 “101日” という長さ。

しかも、ストを起こしていたのは戦闘機F-15やF/A-18、T7など、軍用機を製造する工場。アメリカの軍需産業にまで影響が出る規模でした。

賃上げは5年間で24%。さらに批准ボーナスは 3000ドル → 6000ドルへ倍増
組合側の粘り強さと会社側の妥協で、ようやくストが解決した形です。

ここで気になるのは「なぜ大赤字のボーイングが、ここまでの条件をのんだのか?」という点。
実はこのストの背景には、アメリカ労働市場の強さが有るのではないか、と私は考えます。


ストが終わった理由は?

マネサバくん:おじさん、ボーイングって赤字なんでしょ?そんな会社が賃上げとかボーナス倍増とか、本当に大丈夫なの?

:それがね、労働者が辞めたら会社が回らないくらい“人手の価値が高い”ってことなんだよ。アメリカの労働市場はまだまだ強い証拠なんだ。

マネサバくん:おお…!じゃあ簡単に首を切られるってイメージとはちょっと違うんだね?

:そう。アメリカの企業はドライだけど、熟練工の価値は日本以上に高い。だから長期ストも成立するんだよ。


ストから見える「アメリカ労働市場の底力」

今回のストで見えてきたのは次の3点です。

●① 労働者側の交渉力が高い

赤字企業が100日を超えるストを黙認し、最終的には賃上げとボーナス増額を受け入れた。
これは、アメリカがまだ「売り手市場」であることを示しています。

●② インフレ率は依然として高く、賃上げ要求も強い

アメリカの物価上昇率は3%前後。
FRBの目標2%には届かず、生活コストが高いまま。労働者は当然、賃上げを要求します。

●③ 労働市場の強さ=利下げの先延ばし

12月利下げは、「やっぱり難しいのでは?」という空気も出てきました。


利下げってなくなるの?

マネサバくん:おじさん、これって利下げが遠のくってこと?僕のおこづかい投資どうなるの…?

:まあまあ、落ち着いて。利下げって“景気が弱いときに行う薬”みたいなものなんだ。

マネサバくん:じゃあ、労働市場が強いと薬は必要ない?

:その通り。今回のストを見ても、アメリカ経済はまだ強い。だから金利をすぐ下げる理由がないんだよ。

マネサバくん:うーん…投資って奥が深いねぇ。


ボーイングの苦境と、それでも守られた労働者

ボーイングといえば、近年の赤字続きが話題になっています。
安全性問題、納期遅延、信頼性低下など、どれも深刻。

普通なら、労働者は弱い立場に置かれてもおかしくありません。
しかし今回は、逆。

●賃上げ継続
●ボーナス倍増
●退職金制度の改善要求も議論対象に

これは、アメリカの「熟練工」への評価の高さのあらわれ。
航空機製造は技術職であり、代わりが効かない職人仕事が多いからです。


インフレ再燃の危険も

今回のスト終結が示唆しているのは、「まだまだ賃金は上昇しやすい」という現実です。

賃金が上がる
→ 企業のコストが上がる
→ 物価が上がる
→ さらに賃金を要求

というサイクルが続けば、インフレはしつこく残ります。

さらに、トランプ大統領が打ち出している「国民一人につき2000ドル還元」。
財政赤字は確実に増え、インフレ圧力は一段と強まります。


ここからどう動く?

マネサバくん:おじさん、これってインフレがまた暴れる可能性もあるってこと?

:残念だけど、その可能性はゼロじゃない。むしろ高まってると私は思うよ。

マネサバくん:じゃあ株価は下がっちゃう?

:短期的には上下があるけど、長期投資なら“強い国・強い企業への投資”が基本。今回のニュースだけで慌てる必要はないよ。

マネサバくん:よかったぁ…今日も長期投資でいくよ、おじさん!


日本はどうする?──という厳しい現実

アメリカは財政赤字でも、人口も増え、生産性も高く、通貨も強い。

一方、日本は…

●インフレに賃金が追いつかない
●企業が内部留保をため込む
●労働人口は減り続ける
●GDP成長も弱い

正直、比較になりません。
それだけ、アメリカの労働市場の強さは際立っています。


今回のまとめ

  1. ボーイングの101日ストが終わり、賃上げとボーナス増額で決着
  2. 労働市場の強さが再確認され、利下げが遠のく可能性あり
  3. アメリカの賃金上昇はインフレ再燃のリスクを伴う
  4. 日本との労働環境・経済基盤の差はますます拡大
  5. 投資家は短期の混乱ではなく“長期視点”が重要

労働者が権利を守り、企業はそれに応え、経済全体が動く。
アメリカの「ダイナミズム」を象徴する出来事でした。


最後にひと言(マネサバ流)

投資は未来に向けた“自分の選択”です。
ニュースは大切ですが、短期の揺れに振り回されず、長期で成長する国と企業に“静かに乗る”姿勢が、結局いちばん強い。

今回のスト終結は「アメリカはまだ強い」という、シンプルだけど重要なサインです。


【出典】

タイトル:ボーイング労組員、米セントルイス工場の101日間ストに終止符
URL:https://jp.reuters.com/markets/global-markets/K6Q6TJBTURJTTKMZNHNEFYK3WA-2025-11-14/
媒体名:ロイター
掲載日:2025年11月14日