
ブラックスワンが警告する株価急騰と暴落
ブラックスワンの予言とは
マネサバくん:おじさん、また怖いニュースが出てるよ。「ブラックスワン・ファンド」の人がアメリカ株は急騰した後に大暴落するって言ってるんだって!
私:そうそう。マーク・スピッツナーゲル氏だね。彼はリーマンショックやコロナ暴落で大きな利益を出したことで有名なんだ。「クラッシュガイ」を自称しているファンドマネジャーだよ。
ブラックスワン・ファンドとは
ウオールストリートジャーナルによると、スピッツナーゲル氏が率いる「ユニバーサ・インベストメンツ」は、テールリスク・プロテクション戦略で知られています。
- 平常時はコストを払い続ける
- 暴落時に巨額の利益を得る
具体的には特殊なデリバティブを保有しておき、市場が急落すると爆発的に価値が上がる仕組みです。
だからこそ「暴落の預言者」として注目されやすいのです。
1929年との共通点
スピッツナーゲル氏は「今の米株市場は1929年に似ている」と言います。
- 1929年の大暴落の前には「狂騒の20年代」と呼ばれる株価急騰があった
- 現在もS&P500やNYダウが最高値圏
- 個人も機関投資家も株比率を過去最高に引き上げている
まるで乾いた森に枯れ木が積もっている状態。小さな火種があれば大火事になると警告しています。
マネサバくん:でも株は上がるとも言ってたよね?
私:そうなんだよ。彼は「S&P500は8000まで上昇する可能性がある」とも言ってる。今の水準から20%以上の上げだね。
上昇と暴落、どちらもあり得る理由
実は歴史的に「暴落の直前ほど株価は上がる」傾向があります。
例えば1980年以降、弱気相場が始まる前の1年間の株価上昇率は平均26%。1929年もピーク直前に急騰していました。
だから、
- 短期的には上昇余地がある
- その後に暴落リスクが高まる
この両方が同時に成り立つのです。
投資家にとって最大のリスクは「自分」
スピッツナーゲル氏が強調したのは、
**「投資家にとって最大のリスクは市場ではなく、自分自身だ」**という言葉です。
暴落そのものよりも、暴落に慌ててパニック売りする心理こそが危険なのです。
マネサバくん:じゃあ個人投資家はどうすればいいの?
私:暴落を「当てよう」としないことだね。大事なのは「暴落が来ても生き残れる」仕組みを作ることだよ。
個人投資家が取るべき心構え
1. 分散投資
株式だけでなく、債券、現金、金などに分散する。
2. 長期視点
短期の変動ではなく、10年・20年のリターンで考える。
3. 余裕資金で投資
生活資金を投資に回さず、暴落が来ても耐えられる範囲で。
4. 定期積立
株価が高かろうが安かろうが一定額を投資し続ける。時間の分散がリスクを和らげます。
バフェットの行動から学ぶ
ウォーレン・バフェットは株式の保有を減らし、現金比率を過去最高水準にしています。
これは「相場が高すぎる」との警戒信号かもしれません。
ただしバフェットも投資をやめたわけではなく、チャンスが来るのを待っているだけです。
個人投資家も、
- 株価が割高なときは無理をしない
- 現金を少し多めに持って備える
- 下げたときに冷静に買えるよう準備する
こうした姿勢を真似するべきでしょう。
マネサバくん:つまり「慌てず備えておく」のが最強なんだね。
私:その通り。相場に振り回されるより、自分の行動をコントロールすることが一番大切なんだよ。
まとめ:ブラックスワンの警告から学ぶこと
今回の記事から学べる教訓は次の通りです。
- 株価は暴落直前に急騰することが多い
- 投資家にとって最大のリスクは「市場」ではなく「自分の感情」
- 分散、長期視点、余裕資金、積立が基本戦略
- 暴落を当てる必要はない、来ても生き残れる準備をすればいい
株価が浮かれて上がっているときこそ、冷静にリスクを意識する。
ブラックスワンの警告は「未来を当てる」ためではなく、投資家が備えるための教材なのです。
【出典】
タイトル:ブラックスワン・ファンド運用者、米株高騰後の暴落を予想
URL:https://jp.wsj.com/articles/black-swan-manager-sees-huge-rally-then-1929-style-crash-4dd096fe?mod=hp_lead_pos5
媒体名:ウオールストリートジャーナル
掲載日:2025年9月24日