マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年8月21日

AI相場の熱狂に冷や水?NY株から学ぶ投資家の心得

2025年8月21日、日経新聞に「生成AI、95%が利益得ず」というMITリポートを受けたNY株の記事が掲載されました。ここ数年、AI関連株は米国市場を押し上げる原動力となってきましたが、ついに過熱感に冷や水を浴びせる出来事が出てきました。

ナスダック総合指数はこの2日間で2%下落。エヌビディアは3.6%安、テスラやアマゾンも3%超下げ。パランティアに至っては一時25%もの下落率に達しました。2000年のドットコムバブルを知る投資家からすると、「またあの時代の再来か?」と背筋が寒くなる展開です。


マネサバくん: おじさん、AIで95%の企業がまだ利益を出せてないって本当ですか?
私: 本当だよ。MITの調査でそう出ている。AIの導入コストや人材獲得競争が激しいから、すぐに利益につながる企業は少数なんだ。
マネサバくん: じゃあ、株価だけが先走ってる状態なんですね。ペンギン的に言えば、氷が固まる前に滑ろうとして転んじゃう感じ?
私: うまいこと言うね。今の相場は“氷がまだ薄い”段階なのに、みんなで走り出してしまった状態だ。


PER200倍の世界

パランティアのPER(株価収益率)は200倍超。常識的に考えればとんでもない数字です。もちろん成長企業は高いPERを正当化することもありますが、それは利益が伴ってこそ。利益の裏付けがないのに「未来への期待」だけで買われるのは、まさにバブルの典型です。

ここで思い出されるのが2000年のドットコムバブル。当時も「インターネットで世界が変わる」と言われ、利益ゼロのベンチャー企業が株式市場で巨額の資金を集めました。その後どうなったかはご存じの通りです。

ただ、全てが泡と消えたわけではありません。アマゾンやグーグルのように、本当に実力を持つ企業は生き残り、20年後には世界を席巻しました。今のAIバブルも同じで、“勝者と敗者を見極める力”こそ投資家に問われているのです。


FRB利下げ観測とインフレ懸念

記事のタイミングで重要なのは、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを再開するとの観測があることです。普通なら利下げは株式市場に追い風ですが、今は状況が複雑です。

消費が強い中で利下げをすれば、インフレが再加速する可能性が高い。その結果、いずれまた利上げが必要になり、相場には逆風になるかもしれません。

つまり、短期的には利下げ期待で株が持ち直すこともありますが、中期的には「インフレ再燃→再利上げ」というリスクが見えてくるわけです。


マネサバくん: おじさん、じゃあ利下げは必ずしも株にとってプラスじゃないってことですか?
私: その通り。むしろ「一時的な薬」で終わる可能性がある。ペンギンで言えば、氷の上にすべり止めを撒いたけど、気温が上がればまた溶けちゃうみたいなもんだ。
マネサバくん: なるほど…結局は気候(景気)次第なんですね。


政府の介入と半導体株の不透明感

AI相場を支える半導体株にも波乱が起きています。米政府はエヌビディアやAMDに対して中国向け輸出を認める代わりに売上の15%を徴収する仕組みを導入しました。さらに、分野別の追加関税の可能性も浮上。

こうした「政府の関与」は企業経営の自由度を下げ、投資家にとっては不透明要因です。補助金が追い風になる一方で、政策一つで株価が乱高下するリスクが高まります。


投資家の戦略

では、この状況で投資家はどう動くべきでしょうか。

  1. 利食いの検討
    AI関連株で利益が出ているなら、一部を利食いして現金を確保するのも有効です。特に短期的に過熱した銘柄は調整局面に入る可能性が高い。
  2. 銘柄選別
    全てのAI株が危ないわけではありません。利益基盤がしっかりしている企業(例:マイクロソフトのクラウド+AI事業など)は、長期的に勝ち残る可能性があります。
  3. 分散投資
    AI一本足打法はリスクが大きすぎます。米国株でもディフェンシブ銘柄を組み合わせることでリスクを和らげるべきです。

マネサバくん: でもおじさん、結局「AIは未来の成長分野」なんですよね?
私: もちろんだよ。ただ、未来の勝者を今から100%当てられる人はいない。だから分散しつつ、冷静に待つ必要がある。
マネサバくん: ペンギン的には、魚がいそうな穴を複数見つけておいて、どれかで獲れればいいってことですね。
私: まさにその通り!


まとめ

今回のNY株の調整は、「AI相場に過熱感がある」という事実を改めて突きつけました。MITのリポートによる「95%がまだ利益を得られていない」という現実。PER200倍を超える企業の存在。利下げ観測とインフレ再燃リスク。どれをとっても「バブルの匂い」が強まっています。

しかし、2000年のドットコムバブルの経験が示すように、「本物は残る」。アマゾンやグーグルがそうだったように、AIの勝者も必ず生まれるはずです。

投資家として重要なのは、目の前の熱狂に飛びつくことではなく、冷静に“氷の厚さ”を確かめながら一歩を踏み出すこと。利食いも戦略、分散も戦略です。そして未来の勝者を見極めるためには、短期的な熱狂に振り回されず、長期的な視野を持つこと。

AI相場はまだ始まったばかり。過熱と調整を繰り返しながら、本物だけが残っていく。その過程を楽しみながら、次の投資の一手を考えていきたいですね。


【出典】

・タイトル:NY株ハイライト「生成AI、95%が利益得ず」過熱ハイテク株冷や水
・URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL20C8K0Q5A820C2000000/
・媒体名:日経新聞
・掲載日:2025年8月21日