
あの時、日本はお金が紙くずだった?戦後インフレのリアル
マネサバくん:おじさん、ちょっと質問していい?
「インフレってヤバい!」って最近よく聞くけど、日本で一番ひどかったインフレっていつなの?今みたいに物価がちょっと上がったくらいで騒ぐほどのこと?
私:お、いい質問だね。実はね、日本にも**お金がどんどん価値を失っていった“地獄の時代”**があったんだよ。
マネサバくん:えぇ!?そんなヤバい時代があったの!?
それじゃあ、いつの時代だったのかクイズで教えてよ!
【問題】
次のうち、日本で年間インフレ率が1000%を超えたと言われる時期はどれでしょう?
A. バブル崩壊直後の1991年
B. リーマンショック後の2009年
C. 第二次世界大戦直後の1946年
D. 第一次オイルショックの1974年
マネサバくん:えーっと、物価が一番上がったって聞いたことあるのはオイルショックかな?
でも…1000%ってヤバすぎない!?
うーん……でも思い切って……Cの1946年!
私:正解!!
【正解は…C!1946年(戦後すぐ)】
◆ 日本にもあった「お金が紙くず」だった時代
戦後の日本(特に1945年〜1949年)は、まさにハイパーインフレ状態。
- 終戦によって統制経済が崩壊
- 物資不足、流通機能の混乱
- 政府の赤字財政と大量の紙幣発行
その結果、1946年には前年比で約539%のインフレ、年によっては1000%超とも言われるほどの物価上昇が発生しました。
マネサバくん:えぇ!?500%って…去年100円だったうまい棒が、今年は600円!?
それじゃ何も買えないよ…!
私:その通り。当時は「給料をもらった帰り道でお米を買わないと、次の日にはもう買えない」って時代だったんだよ。
◆ その後の日本のインフレ年表
じゃあ、戦後のインフレってどうやって収まっていったのか?
そしてその後の日本の物価はどう動いたのか?
ざっくりと表にまとめてみよう。
🗂 日本のインフレざっくり年表
時期 | 状況 | インフレ率の目安 |
---|---|---|
1945〜1949年 | 戦後のハイパーインフレ | 数百%〜1000%超 |
1950〜60年代 | 高度経済成長・安定化 | 年3〜10%程度 |
1973〜1974年 | 第一次オイルショック | 最大23%(1974年) |
1980年代後半 | バブル期 | 年1〜3%程度 |
1990〜2020年代前半 | デフレ時代 | 0%〜マイナス |
2022年〜現在 | コストプッシュ型の物価上昇 | 年2〜4%程度(CPIベース) |
◆ なぜ戦後は止められたのか?
戦後のハイパーインフレは、「ドッジ・ライン」という緊縮政策(1949年)で一気に抑え込まれました。
- 財政赤字をゼロに
- 通貨発行を厳格に管理
- 固定為替レート(1ドル=360円)導入
これにより、物価の暴騰は収まり、安定成長へ向かう土台が築かれたのです。
マネサバくん:へぇ〜、お金をばらまくのをやめたら、物価も落ち着いたってことか。
私:そう。逆に言えば、「お金を刷りすぎるとヤバいことになる」って、実体験として知ってる国が日本ってわけだ。
◆ 今の日本とどう違うの?
- 今の日本のインフレは「輸入コスト高(円安+資源高)」によるコストプッシュ型インフレ。
- 戦後は「通貨の信頼崩壊」によるハイパーインフレ。
性質は異なるけれど、「インフレはいつでも起こり得る」「それが資産を奪う力を持っている」ことには変わりません。
特に通貨を発行している中央銀行(日本では日銀)の信用が無くなる事が、ハイパーインフレの最大の原因になるんだよ。
◆ インフレから身を守るには?
デフレの時代は、現金を持っているのが一番だった。だから貯金や預金は優良な投資手法だった。
ところがインフレになると違ってきます。
- 銀行預金だけに頼らず、価値が残る資産(株、不動産、金など)を持つ
- インフレに強い企業に投資する(値上げを価格に転嫁できる企業)
- お金の流れに敏感になって、「何に価値が移っているか?」を意識する
マネサバくん:ぼく、物価が上がっても生き残れるペンギンになる!
私:いい心がけだ。ペンギンにも優しくない時代が来るかもしれないからね(笑)
【まとめ】
- 日本はかつて「お金の価値が毎月半分になる」ほどのインフレを経験した
- インフレのタイプには「通貨の信頼喪失型」と「コスト型」がある
- 現在の日本も油断ならない環境。
- インフレから資産を守るには、知識と準備が必要!