骨太って、こんなに“ふわふわ”だったっけ?――財政健全化と金利上昇へのモヤモヤ
「骨太の方針」という名前を久々に聞いた時、昔の“あの重み”を思い出した人もいるのではないでしょうか。かつては「痛みを伴ってもやらねばならぬ」といった国家の覚悟を感じる政策方針として知られていました。
でも、2025年のこの骨太原案、正直なところ…ちょっと「骨が細くなってる?」と感じたのは私だけでしょうか。
金利の急上昇が怖い?でも具体策はナシ?
今回の骨太原案の中で注目されたのは、「国債を安定的に発行できる環境を整える」という一文。これは異例の明記でした。
金利の上昇=財政への圧力になるのは間違いないですが、それをどう防ぐのかという点については曖昧なまま。「需給悪化を招かないように国内での国債保有を促進」などと記されていますが、あくまで“お願いベース”に聞こえてしまうのです。
もしかして、また市場介入をちらつかせるのでしょうか?それならそれで骨太というより「骨抜き」のような……
プライマリーバランスの黒字化も、また“先送り”
「2025年度から2026年度を通じて可能な限り早期の黒字化を目指す」と聞いて、「あれ?またか?」と思った方も多いかもしれません。
本来は2025年度を“達成年”としていたPB(プライマリーバランス)の黒字化目標。これに「幅を持たせる」形で実質的に先送りとなりました。
実はこのPB黒字化目標、2000年代から何度も先送りされてきた“常連案件”。もうそろそろ、財政健全化への“本気度”を問われる頃かもしれません。
長期金利の上昇と、投資家の“冷ややかな目”
記事では30年債や40年債の入札で投資家の関心が鈍く、利回りが上昇している状況が紹介されています。こうした長期ゾーンの金利上昇は、まさに**「財政リスク」**の表れ。
しかも、日銀が国債購入額を減らしている現在、その受け皿となっているのが海外投資家。ところがこの海外勢、**危機時の“逃げ足の速さ”**では定評があります。
つまり、今は大丈夫でも、いざとなれば真っ先に売ってくるかもしれない。日本政府がどう見られているかが、そのまま金利に反映される時代です。
市場をコントロールしたい?それって社会主義?
骨太原案のもうひとつの側面は、「市場に任せず、あらゆるところに政府が介入したい」という雰囲気。国債だけでなく、電気料金、ガソリン価格、為替レートまで。
でもこれ、本当に資本主義国家の方針なんでしょうか?
確かに不安定な時代だからこそ、ある程度の政府介入は必要かもしれません。でも、いつまでも相場を“コントロールしたい”という姿勢でいれば、いずれ市場からの信頼は失われてしまう。
経済の健全さは、自由な市場の中でこそ育つという原則。そろそろ“口だけ骨太”から、中身のある骨太へと脱皮してほしいものです。
個人としてできること:自分で考え、自分で守る
こんな政府の動きに対して、「何を信じて、どう動けばいいか分からない」と感じる人も多いかもしれません。でもだからこそ、いま一番大事なのは**“自分で考えること”**。
金利が上がる可能性に備えた資産の見直し、通貨の価値が揺らいだときの備え、そして国債が売られたときにどう資金を守るか──。
政府が骨太を語っても骨抜きに終わるかもしれないなら、私たちの資産は私たち自身で守る。その心構えが、今後ますます必要になってきそうです。
骨太方針「国債安定発行の環境整える」明記 金利上昇へ警戒感
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA060R70W5A600C2000000/
日経新聞 2025/6/6
