マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年9月21日
マネサバくん安心

金投資:金は「儲ける」より「守る」

20〜30代が今、少しだけ持つ理由


マネサバくん:おじさん、最近ニュースで金(ゴールド)が上がってるって聞いたよ。今から金投資を始めるのはもう遅い?
:遅い・早いの前に、“何のために持つか”が先だよ。金は「攻め」じゃなくて「守り」のピース。ここを間違えると、だいたい失敗する。
今日はウオールストリートジャーナルの記事から見てみよう。


金投資は「保険」。だから量より役割

株や債券が基本メンバーだとしたら、金は「非常口」。普段は目立たないけれど、火事や地震のときに効く。
歴史的に金は、インフレ加速、政府債務の膨張、戦争や政治不安、ドル不信といった“悪いことセット”で相対的に強くなる傾向がある。一方で、配当も利子も生まないから、長期リターンは株+債券の王道コンボには及ばない。だから「全力金買い」は筋が悪い。少しだけ——これがポイント。

米系ヘッジファンドの分析では、相場急落やインフレショックの“クラッシュ・シナリオ”を考えるなら、金の組み入れ0.5〜9%程度が妥当という示唆がある(幅が広いのは投資家のリスク許容度次第だから)。私の経験則でも、最初は2〜5%から始めて、生活防衛資金や収入の安定度、他資産との相関を見ながら微調整が使いやすい。


マネサバくん:保険なら、たくさん入っておけば安心じゃないの?
:保険に家賃並みの保険料は払わないよね?“過剰な安心”は、長期リターンを削る。必要十分でいい。


なぜ今、金の「出番」が増えるのか


20〜30代が押さえる実務:どう持つ?いくら持つ?

金投資を考える際に、以下の様な投資方法が有ります。

1) 器を選ぶ(国内個人の現実解)

2) 目安アロケーション(最初は小さく)

3) ルール運用(“買いっぱなし”にしない)


マネサバくん:ぼく、まずは毎月1万円の積立からでいい?
:いいね。最初は“生活防衛資金>積立金”が鉄則。非常口の前に、消火器(生活費6〜12か月分)を置こう。


よくある誤解を先回りで解く

以下は金投資で良くある誤解です。気を付けてください。


ミニ設計図:3アセットで始める「シンプル防御」

運用ルール:年1回再調整/暴落時(株が−20%超)に、金投資が目標の+1.5%以上なら一部を株へ振り替え。これで“暴落資金”を自動で捻出できる。欲張らないけど、効く。


マネサバくん:じゃあ、今すぐ全部金にして「最強防御」!…はダメか。
:ダメ(笑)。非常口で寝泊まりしないでしょ。出入り口は“出口”として整えて、普段は居心地のいい“居間”(株・債券)で暮らすのが基本。


投資家としての視点:金は“メンタルの分散”にも効く

ポートフォリオに金が少しあると、ニュースの“悪い話”に過剰反応しにくい。価格面のヘッジだけでなく、意思決定の安定剤になる。若い投資家ほど、将来の複利を毀損する“狼狽売り”が一番の敵。金はそこに効く。


リスク・注意点(超大事!)


マネサバくん:最後に合言葉、教えて。
:OK。「金は“守り”の非常口。持ちすぎない、忘れない、年に一度は点検」。これでいこう。


金投資のまとめ

なお、本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。


【出典】

・タイトル:金を(いくらか)保有すべき理由
・URL:https://jp.wsj.com/articles/why-you-should-own-some-gold-381a82ff
・媒体名:ウオールストリートジャーナル
・掲載日:2025年9月18日