
投資入門:破産確率から学ぶ投資リスク管理入門
前回「3つの性格診断から、向いている投資手法をご紹介」ではあなたの性格に合った投資手法を見てみました。
投資の世界では「どれだけ儲かるか」ばかりに目が行きがちですが、実はもっと大切なのが「どれだけ負けないか」です。今回は少し専門的なテーマ、「破産確率」について考えてみましょう。名前だけ聞くと怖いですが、投資教育の入り口としてとても大事な考え方なんです。
早速シミュレーションをお楽しみください。
モンテカルロ法:破産確率シミュレーション
いかがでしたか?
破産確率とは何か?
破産確率とは、「その投資ルールを続けたときに、資金がゼロになってしまう可能性」を数値化したものです。
投資にリスクがあるのは当然ですが、そのリスクを「感覚」ではなく「数字」で把握できるのが破産確率の強みです。
今回使ったのはモンテカルロ法というシミュレーション手法。1回のシナリオだけではなく、数万回も仮想的に取引を繰り返して、その中でどのくらい破産が起こるかを確率で出します。
マネサバくん:おじさん、破産確率って言葉だけで心臓に悪いね…。
私:確かに怖そうに聞こえるけど、要は「どのくらいのリスクで運用しているか」を確認するツールなんだよ。
マネサバくん:なるほど、事故率みたいなものか!
シミュレーションの結果を読む
デフォルトの設定は以下のとおりです。
- 勝率:55%
- 損切り:-2%
- 利食い:+3%
- 取引回数:200回
このルールで私がシミュレーションした結果、破産確率は0%。
最悪のケースでも資金は14万9,613円増えました。利回りにすると年間約14%です。
もちろん「デイトレードで1日1回やる」と「月1回だけやる」とでは意味が変わります。取引回数が多いほど結果は安定しますが、短期の変動には強い精神力も必要です。
マネサバくん:おじさん、0%って出ると「絶対大丈夫!」って思っちゃいそう…。
私:そこが落とし穴なんだ。実際の相場はもっと不規則で、過去データ通りに動く保証はない。だからシミュレーションは「安全率を測る目安」として使うのが正解だよ。
マネサバくん:ふむふむ、数字に安心しすぎちゃいけないんだね。
損切りと利食いのバランス
破産確率を下げる最大のコツは「損切りをどこで入れるか」です。
テクニカル分析やバックテストをしてみると、損切り幅を利食い幅より大きく設定すると勝率は上がりやすくなります。ですが、その場合は1回の負けでの損失が大きくなるため、資金管理が重要になります。
投資手法を信じている人でも、勝率55%くらいを目安に考え、損切り幅を慎重に決めたほうが無難です。
投資教育としての「破産確率」
破産確率を学ぶ意義は「投資の続け方」を知ることにあります。
たとえば、年7%の利回りを理想とする人も多いですが(私もです)、実際には簡単ではありません。破産確率をシミュレーションすることで「自分の手法を続ければ、本当にその利回りが期待できるのか?」を冷静に確認できるのです。
投資はマラソンのようなもの。途中で資金が尽きてしまえば、ゴールにはたどり着けません。だからこそ「どのくらいの確率で完走できるのか」を知ることが大切なのです。
マネサバくん:おじさん、破産確率って「投資をやめないための保険」みたいだね。
私:いい例えだね!利益を大きく狙うより、まずは「退場しないこと」を優先するのが投資家の基本姿勢だよ。
マネサバくん:よーし、僕もシミュレーションで遊んでみようかな。
まとめ
- 破産確率は「資金が尽きるリスク」を数値化する指標。
- 勝率や損切り幅を調整すると、破産確率は大きく変わる。
- 0%だからといって安心せず、あくまでリスク管理の参考にすることが大事。
- 投資教育の観点では「利益よりも退場しないこと」を優先する発想が重要。
シミュレーションは、未来を保証するものではなく、自分の投資手法を客観的に見つめ直すツールです。ぜひ色々な条件を試しながら、自分に合ったリスク管理を探してみてください。