マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年9月19日
マネサバくん困った

日銀会合から学ぶ「金利とインフレ」と投資教育の視点

本日は日銀の金融政策決定会合の発表日です。

投資家にとっては毎回注目のイベントですが、今回も結論は「金利据え置き」と見られています。実際、私は以前から「日銀はもう利上げできない」と考えています。その理由は、日本経済が抱える構造的な問題にあります。

この記事では、日銀会合の注目点を整理すると同時に、「金利」「インフレ」「通貨」という基本テーマを投資教育の観点から学んでいきましょう。


なぜ日銀は利上げできないのか

消費者物価指数(CPI)は本日発表された数字で前年比+2.7%。
日銀の物価目標は2%なので、本来であればすでに利上げしていてもおかしくないはずです。

それでも利上げできない理由は大きく3つ。

  1. 国債残高の大きさ
     日本はGDPの2倍を超える国債を抱えています。もし金利を上げれば、国債の利払い負担が一気に増え、財政が持たなくなる。
  2. 企業の資金繰りへの影響
     長年の低金利で資金調達してきた企業が、急な利上げに耐えられない可能性がある。
  3. 住宅ローンや家計への負担
     変動金利ローンを抱える家庭が多く、利上げは消費を冷え込ませかねない。

マネサバくん:おじさん、インフレが2.7%なら利上げしないとおかしいよね?
:普通はそうだよ。でも日本は借金が大きすぎて、利上げをすれば国全体が苦しくなる。だから「本当はやるべきなのに、やれない」という状況なんだ。
マネサバくん:なるほど…それって投資でも「やりたいけど資金が足りない」みたいな状態に近いね。


記者会見と為替市場

今回のもう一つの注目は、15:30からの植田総裁の記者会見です。
近ごろは会見の時間帯に円安が進行するケースが増えています。なぜかというと、投資家が「結局、日銀は利上げできない」と受け止めるからです。

為替市場は未来を織り込みます。日銀が「将来的に利上げする」と言っても、実際に動かなければ市場は信じません。むしろ「当面は緩和を続ける」と見て円が売られやすくなるのです。

投資教育の視点から言えば、**「市場は言葉より行動を重視する」**という教訓を学べます。


マネサバくん:おじさん、言葉だけで動かないなら市場は信用しないんだね?
:その通り。投資家は「言ったこと」より「やったこと」を見る。だから投資でも「自分のルールを守っているか」が一番大事なんだよ。
マネサバくん:うわ、それ耳が痛い…。ぼくもルール破ってすぐ売買しちゃうから。


インフレと実質金利

今回の焦点は「インフレが進む中で、なぜ実質マイナス金利を続けるのか」という点です。

差し引きすると、実質金利はマイナス。つまり「お金を持っているだけで価値が減っていく」状態です。

投資教育の基本として、この仕組みを理解しておくことは非常に重要です。現金をただ持ち続けることは、見えない形で資産を減らしているのと同じだからです。


投資教育の観点で考える

ここで、今回の日銀会合から学べる「投資教育の教訓」を整理してみましょう。

  1. 政策と市場は必ずしも一致しない
     日銀が「インフレは一時的」と言っても、市場は「低金利が続く」と見れば円は売られる。投資家は「発表と反応のズレ」を意識する必要があります。
  2. 現金は安全ではない
     インフレ下でのマイナス金利は、現金の購買力を奪います。資産を守るには株式や不動産、投資信託などに分散投資することが不可欠です。
  3. リスクを取らないリスク
     「投資は危ない」と言って現金だけで資産を守ろうとすると、インフレで資産が目減りします。これも一種のリスクだと理解しましょう。

マネサバくん:おじさん、現金が安全って思ってたけど、インフレで減るのもリスクなんだね?
:そうなんだ。だから投資教育で一番大事なのは「リスクを取らないこともリスクになる」という考え方なんだよ。
マネサバくん:投資って「守り方」を知らないと危ないんだね…。


まとめ:ニュースを投資教育に変える

今回の日銀会合は、投資家にとっては「やっぱり据え置きか」と驚きの少ない内容だったかもしれません。ですが、投資教育の視点で見ると非常に学びが多い出来事です。

これらはすべて、投資を続けるうえで基礎となる知識です。

ニュースをただ「聞いて終わり」にするのではなく、「自分の資産形成にどうつながるか」を考える習慣を持ちましょう。それが投資教育の第一歩です。