マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年5月8日

日米株の急回復は本物か?「焦り」が作る市場の落とし穴


最近の日米株式市場は、4月の急落からまるで“なかったこと”のような勢いで持ち直しています。株価が下がれば買い、上がれば安心――そんなサイクルに慣れてしまった投資家の心理が、この急回復を支えているのかもしれません。

でも、この記事を読む限り、その裏に潜む「焦り」の正体と「見えないリスク」は、決して無視できるものではなさそうです。


過去の教訓が警告する“楽観バブル”

まず、歴史は何度も同じことを繰り返します。

・2007年、サブプライムローン問題を過小評価したFRBは対応を後手に回し、リーマンショックに。
・2022年、インフレへの対応が遅れて大幅利上げ→株価下落。
・一方で2019年には、予防的利下げが功を奏して株価を支えた。

こうした事例を見ると、現在のパウエルFRB議長が利下げに慎重なのも納得できますが、それがまた「今後の混乱の火種」になる可能性も否定できません。


トランプ政権の“見えない影響”が忍び寄る

さらに、今後の懸念材料として特に注目したいのがトランプ大統領の動向です。

表面的には中国への関税を引き下げるようなそぶりを見せても、外交支援の削減や国際秩序の再構築を軽視する姿勢が、長期的にはアメリカの信頼を揺るがすかもしれません。

ただし、現実問題として「ドルに代わる基軸通貨」が他にない今、世界中の投資マネーはやはり最後はアメリカに戻ってくる可能性が高い。そこが、この市場のいびつさであり、強さの理由でもあります。


企業業績の「楽観」が危うい理由

記事では、東証プライム市場の約半数の銘柄が関税発動前の水準まで株価を戻したとされています。しかし、その背景にある企業業績はどうでしょうか?

・今期の業績予想は、コンセンサスを8%下回る
・円高進行の影響を想定していない企業も多い
・関税リスクが十分に織り込まれていない

つまり、「数字だけ見ると回復しているように見える」だけで、実体が追いついていないという指摘は重く受け止めるべきです。


投資判断に必要な“3つの鍵”とは?

シティグループのアナリストが指摘していた「回復を支える3つの条件」は、非常に納得感があります。

  1. 関税交渉の着地点
  2. 業績予想の底打ち
  3. 中央銀行(FRBなど)の利下げ姿勢の明確化

このどれかが欠けている限り、株価の回復が本物とは言えないのかもしれません。


焦らず構える、今がその時かもしれない

過去の株価回復局面――2012年の欧州債務危機、2016年の円高、2020年のコロナ――を振り返ってみても、本当の回復は「EPS(1株利益)の底入れ」が確認されてから始まっています。

今は、まだその段階には至っていません。むしろ、楽観ムードが先走って株価が「先に行きすぎている」可能性があります。


まとめ:市場は“待つ勇気”を試している

この局面で私たちが問われているのは、「買いのタイミング」ではなく、「待つ勇気」かもしれません。

過度な楽観も、過度な悲観も、投資の判断を鈍らせます。特に長期的な資産形成を考えるなら、足元のノイズに振り回されすぎず、地に足をつけた視点を持つことが大切です。

株価の動きだけに惑わされず、経済の本質を見る。それが、未来を変える投資につながるはずです。


〈スクランブル〉日米株回復 急すぎか
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88508490X00C25A5DTC000/
データ元:日経新聞 2025/5/8