マネサバおじさん      

マネサバおじさん

マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年8月27日

日本の財政破綻は避けられるのか ― 冷静に数字を読み解く

「日本の財政はいつ破綻するのか?」。この問いは長年、経済や政治の議論で繰り返し登場してきました。国の借金は1,300兆円を超え、GDP比で237%。世界の先進国の中でも突出していると言われます。ニュースや新聞の見出しを見れば、今にも国が立ち行かなくなるかのような危機感が漂います。
しかし、数字を一つひとつ冷静に追ってみると、見えてくる景色は少し違います。

今回は、2024年末までの公開されているデータを基にして、日本の財政破綻のリスクを考えてみます。


マネサバくん:おじさん、日本の借金って1,317兆円もあるんでしょ?それってもう返せないんじゃない?
:確かに1,317兆円は巨大な数字だね。でも国には資産もあるんだ。778兆円くらい。差し引きすると「純債務」は351兆円で、GDP比だと56%。これだけ聞くと、なんか大丈夫そうだね。
マネサバくん:えっ!?借金だけ聞いてたら大変そうだけど、資産を考えると全然違うんだね。


「借金1,317兆円」という見え方のトリック

2024年末時点での日本の国債残高は1,129兆円、その他を含めると借金総額は1,317兆円に達します。GDP比で237%。確かに数字だけを見れば異常に高いように見えます。

ただし、国は「資産」も持っています。土地や建物、外貨準備、金融資産などを合計すると778兆円。つまり、純粋な負債は351兆円。GDP比にすると56%です。ドイツのネット債務のGDP比率は47%だそうです。

「借金だけを取り上げて危機をあおるのはミスリードだ」と言われるのはこのためです。

ただし、ドイツのネット債務の計算では、債務から引ける資産は金融資産のみです。
ここで紹介した日本の資産778兆円の中で金融資産のみとなると582兆円。これで計算すると、日本の純粋な負債は547兆円。
2024年のGDPは616兆円なので、88%になり、やはりドイツの倍近い値になります。


それでも安心できない理由

では「日本は意外と安全」なのか?必ずしもそうとは言えません。問題は「資金繰り」だからです。

2024年度の国家予算は112兆円。そのうち33%にあたる37兆円は新規国債でまかなわれています。しかも借換債が157兆円あり、合計で194兆円もの国債が発行されました。

この国債が順調に売れ続ける限り、財政は「回って」いきます。しかし、買い手が減れば途端に資金繰りが詰まり、破綻の危機が現実のものとなります。


マネサバくん:でも買ってくれる人ってたくさんいるんじゃないの?保険会社とか銀行とか。
:そうなんだけど、問題は金利だよ。今後金利が上がると国債の価格が下がって、保険会社は含み損を抱える。そうなると長期国債を積極的に買えなくなる。買い手が減ると、国債が消化できなくなるリスクが高まるんだ。
マネサバくん:なるほど…借金の「総額」より「毎年の借り換え」が危ないんだね。


日銀の役割と限界

これまで国債市場を支えてきたのは日銀です。2024年には194兆円の国債発行のうち、約70兆円を日銀が買い入れました。ところが2026年には買い入れ額を36兆円に縮小する計画です。

「足りない分は誰が買うのか?」。この問いが市場に不安を呼び起こしています。

もし民間や海外投資家が買わなければ、再び日銀が通貨を発行して穴埋めするしかありません。すると「金融政策正常化」という約束を反故にしたことになり、急激な円安を招くリスクがあります。

急激な円安が進めば、輸入品価格が跳ね上がり、生活コストに直結します。ガソリンや食料品が今の3倍、4倍になる可能性だってある。こうなれば日銀は利上げしたいところですが、巨額の国債残高のせいで金利を上げられません。負のスパイラルに陥る危険性があるのです。


日本は「破綻しない」のか?

多くの専門家は「日本は自国通貨建て国債だから破綻しない」と言います。確かにギリシャのように外貨建ての借金を抱えているわけではないので、返済不能でデフォルトするリスクは低い。

しかし「通貨の価値を犠牲にして延命する」可能性は十分にあります。つまり、名目上は破綻しなくても、円の価値が大幅に下がり、国民が実質的に苦しむ。これが日本にとって最も現実的なシナリオかもしれません。


マネサバくん:おじさん、じゃあ財政破綻って結局「お金が尽きること」じゃなくて「円の価値が下がること」ってこと?
:その通りだね。借金を返すために円を刷ればデフォルトは避けられる。でも円安とインフレで国民生活が破綻する。それを「財政破綻」と呼ぶ人もいるんだよ。
マネサバくん:うーん…怖い話だけど、確かに現実味があるね。


投資家にできる備えとは?

投資家としてできる備えは、「日本円だけに頼らないこと」です。円が大幅に安くなった場合、資産が円建てだけだと購買力を守れません。

こうした分散投資が、自分の資産を守る有効な手段になると考えます。
但し株式に関しては、「インフレに強い」とよく言われていますが、アメリカ株で見てみると、インフレにともなり金利が上がる時は、株は下がっている事が多い様です。


結論 ― 財政破綻回避は「可能」だが「形を変えて」やってくる

日本の純債務を見れば、他国と比べてそこまで悲観する数字ではありません。しかし「毎年200兆円近い国債を発行し続け、それを誰が買うのか」という現実に目を向けると、資金繰りが破綻する可能性は十分にあります。

名目上のデフォルトは避けられても、円の価値の急落=実質的な財政破綻は起こり得る。むしろ、これが日本が直面する最大のリスクでしょう。

投資家に必要なのは、この現実を冷静に受け止め、自分の資産を「守れる形」に分散させておくことです。国の財政は一朝一夕に変わりません。しかし個人の投資戦略は、今日からでも変えられます。


今回の記事は「日本の財政破綻の可能性」を数字から検討しました。悲観しすぎる必要はありませんが、楽観もできない。その中間を見極める目こそが、投資家にとって最も重要だと私は考えます。

あくまで、私個人の考えですので、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いしています。