マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

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2025年8月14日

ソフトバンクG、1000億円劣後債発行へ
— 金利が安いうちに長期固定を確保する“投資家的発想”

ソフトバンクグループ(SBG)が、償還期限35年・5年後に早期償還可能な「35年NC5型劣後債」を発行する予定です。金額は約1000億円。タイミングは8月下旬、日銀の早期利上げ観測が後退している今が絶好の機会と踏んだ形です。


おじさん:マネサバくん、これ、普通の債券発行じゃないんだよ。
マネサバくん:劣後債ってやつですよね?ちょっとリスク高めだけど、会社側からすると自己資本に近い扱いになるやつ。
おじさん:そう。しかも35年の長期固定金利で発行するっていうのがポイントなんだ。
マネサバくん:ああ、将来金利が上がったら「勝ち確」ってやつですね。


今回の劣後債は、発行から5年後に早期償還も可能。つまり、5年経って市場金利が大きく下がっていれば、低い金利で借り換える道も残しているという“二段構え”です。

この発行の背景には、ソフトバンクGのAIデータセンター整備プロジェクト「スターゲート計画」があります。生成AI事業拡大のための巨額投資を進める同社は、7月にもドル建て・ユーロ建てで計6200億円の社債を発行したばかり。今回の1000億円も、2026年2月に初回任意償還日を迎える国内ハイブリッド社債の借り換えに充てる計画です。


マネサバくん:でも、おじさん、日本はこれから金利上がるんじゃないんですか?
おじさん:そう。だからこそ今、長期固定で資金を確保する価値がある。
マネサバくん:確かに…変動金利ローン持ってる人は要注意ってことですね。
おじさん:まさにそれ。金利が上がる局面で借入を固定金利にする事は、投資家でも住宅ローンでも鉄則だよ。


興味深いのは、今回の発行環境が極めて良いことです。日銀の利上げ観測は後退し、国内社債市場では今年度に入ってからの発行額が4月1日〜8月13日の期間で7兆8560億円と過去最高ペース。市場全体が「金利が安いうちに借りる」方向に動いています。

そしてSBGの業績回復も追い風です。4〜6月期は2四半期連続の黒字で、株価は決算発表後に18%上昇。資金調達コストにもプラスの影響を与える信用力の改善が見られます。


おじさん:投資家目線で見ても、この動きは参考になるよ。
マネサバくん:企業の資金調達戦略を、自分の投資や資産運用にも応用できるってことですか?
おじさん:そう。長期的に金利上昇を見込むなら、今の低金利を固定しておく。これは個人でも企業でも同じ発想だね。


ソフトバンクGの戦略は、「好条件の時に借りて、条件が悪くなったら返す」という柔軟性を持たせた資金調達です。これは単に大企業のテクニックではなく、私たち個人投資家にも応用できる考え方です。住宅ローン、投資用ローン、さらには社債や債券投資でも同じ原理が働きます。

今後、日本の金利が上がれば、SBGは安い金利で調達した資金を有利に使える可能性が高い。一方で、もし金利が下がれば早期償還でより安く借り換えられる。こうした“出口戦略”まで含めた設計が、資金調達を成功に導く鍵です。

投資家としては、こうした企業の動きを見て「資金コストをどうコントロールしているか」をチェックすることが、企業分析の精度を上げる一歩になるでしょう。


【出典】

・タイトル:ソフトバンクGが劣後債、好決算と金利安定で1000億円調達へ
・URL:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-08-13/T0WT7JGP493C00?srnd=cojp-v2
・媒体名:ブルームバーグ
・掲載日:2025年8月13日