
インドが示した“したたかな外交”と日本への配慮
9月2日の日経新聞に掲載された記事によると、中国で開催される「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」の軍事パレードに、インド代表団は参列しないことを決めたそうです。インド政府は「日本を傷つける意図はない」と明言。これぞ、したたかな外交術だと感じました。
今回の決定は、中国との関係改善の動きを見せつつ、日本との信頼関係を損なわないようバランスを取った結果といえるでしょう。投資家としても「外交の一手」が市場に与える影響は無視できません。特にアジアの大国インドの動きは、長期的に日本経済にも波及します。
インドの交渉術に学ぶ
マネサバくん:おじさん、インドってなんでこんなにしたたかなんだろう?
私:大きいのは教育と歴史だよ。植民地時代から「知識は奪われない」と教育を重視してきた。その蓄積が、いまの外交力や人材力につながっているんだ。
実際、今のアメリカIT企業のトップにはインド出身者が多くいます。グーグルやマイクロソフトのCEOもそうですね。また、かつてのイギリス首相リシ・スナク氏もインド系の富豪出身です。教育に力を入れることが、国家の競争力を何十年も先まで支えるという好例でしょう。
日本への配慮と「クアッド」
記事によると、インドは中国との国境問題を抱えつつも関係改善を模索しています。一方で、日本・アメリカ・オーストラリアと共に「クアッド」という安全保障の枠組みに参加しており、バランスをどう取るかが課題でした。
マネサバくん:中国の会議に出て、でも軍事パレードには行かない…これって絶妙な線引きだね。
私:そうそう。参加はするけど「反日色の強い式典」には加わらない。これで中国とも日本とも正面衝突は避けられる。まさに外交の妙だよ。
インドはエネルギー面ではロシアから原油を買い続けており、トランプ米政権から高関税を課されるなど対立も抱えています。そんな状況で日本とのパートナーシップを強調するのは、戦略的な意味合いが大きい。
インドが見せた「日本重視」
モディ首相は記事によると、直前まで来日して石破首相と会談し、「インドと日本は共通の夢を目指している」と語ったそうです。その翌日に中国の軍事パレードを欠席するとなれば、「日本を大事にしていますよ」という強いメッセージになります。
マネサバくん:おじさん、日本ってちゃんと評価されてるんだね。ちょっと安心したよ。
私:その通り。インドはしたたかだけど、信頼関係を築こうとしているのも事実だよ。こういう時に日本も外交力を試されるんだ。
投資家目線で見るインドの存在感
外交の話は一見市場に関係なさそうに見えますが、インドの動きは長期的な投資テーマです。人口は14億人を超え、成長力は中国を上回る可能性があります。そして、教育で鍛えられた人材が世界中で活躍している。
投資家として注目すべきは、インドの「民主主義と教育」をベースにした持続的成長力です。今回のしたたかな外交も、国益を最大化するための一手。市場を読む上で、「インドがどの国と組むか」は常にウォッチしておきたいテーマです。
まとめ
今回の記事から見えるのは、インドの冷静で戦略的な外交姿勢です。
- 中国に配慮しつつ、日本を傷つけない立場を取る
- 米ロ関係の狭間でも自国の利益を守る
- 教育を土台に世界中で存在感を高める
マネサバくん:やっぱり教育って大事だね。外交も経済も、人を育てるところから始まるんだ。
私:まさにその通り。日本も学ぶべきは「教育と交渉術」だと思うよ。投資家としても、インドの存在感は無視できない。これからも注意深く見ていこう。
【出典】
・タイトル:中国軍事パレード、インド代表団は参列せず 「日本を傷つける意図なし」
・URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB01B5K0R00C25A9000000/
・媒体名:日経新聞
・掲載日:2025年9月2日