
じわじわ効いてきた“トランプ効果” インフレの芽とアメリカ経済のゆらぎ
マネサバくん:なんか最近、トランプさんの話ばっかりじゃない?経済もニュースもぜんぶ彼の影響ってこと?
私:実はね、それがあながち間違いでもないんだ。今回のウォールストリートジャーナルの記事では、「トランプ効果」がアメリカ経済にじわじわ出始めているっていう分析がされてるんだよ。
関税と移民政策がインフレの火種に?
トランプ大統領の掲げる大幅な関税政策が、いよいよ輸入物価に反映されはじめました。6月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%。一見、そこまで大きな数字には見えませんが、実は家具や衣料品、自動車以外のコア品目で月次の上昇率が過去3年で最大となっています。
マネサバくん:インフレって、物価がちょっと上がるだけじゃないの?それって悪いことなの?
私:それがね、「ちょっと」なら経済の潤滑油だけど、行き過ぎると家計も企業も苦しくなる。インフレの怖さは、気づいた時には手遅れになってることが多いんだよ。
人手不足→賃金上昇→インフレという“王道ルート”へ
もう一つの注目ポイントは、移民の取り締まり強化による人手不足。特に農業や建設など、外国人労働者に頼っていた分野では、雇用の伸びが鈍化しています。
それが何を意味するかというと――
- 企業が人手を確保するために賃金を上げる
- 人々の所得が増えて、支出が増える
- 物価が上がり、さらにインフレが加速する
という、クラシックなインフレスパイラルが始まりつつあるという見方も。
マネサバくん:でもさ、みんながお金持ちになれば問題ないんじゃない?
私:そう聞こえるけど、インフレって「通貨の価値が下がる」ことなんだ。つまり、お金持ちになったつもりでも、買えるものが減っていくの。見かけだけ豊かになって、実は貧しくなってるという罠だね。
株高・不動産高で起きる“資産効果”も注意
現在のアメリカ経済は、連日の株高と不動産価格の上昇で“元気”に見えます。これがいわゆる資産効果。
資産の価値が上がる
→ 人は「なんか豊かになった気がする」
→ 消費が増える
→ 企業の売上が伸びる
→ 物価も上がる(インフレ)
バブル経済とそっくりの構造です。
マネサバくん:でもトランプさんは「インフレは低い」って言ってたって記事にあったよ?
私:うん、それがちょっと不思議なんだよね。実際には、銅や鉄鋼などの素材価格は急上昇中だし、CPIの中でも輸入品の値段はじわじわ上がってる。トランプ氏の発言と、実際の市場の動きがちぐはぐなんだ。
「インフレの本質は通貨の信頼低下」──今こそ長期目線が必要なとき
日本でもよく耳にする「賃金と物価の好循環」。でも、それは裏を返せば**「通貨の価値を意図的に下げる」こと**。これを続ければ確実にインフレは進行します。
アメリカのような基軸通貨国でさえ、関税強化や減税拡大、移民政策の変化などで通貨の信頼が揺らぎはじめている。
マネサバくん:じゃあ、ぼくたちもアメリカに投資するのちょっと考え直した方がいい?
私:むしろ逆かもしれないよ。インフレ=実物資産の価値が上がる時代。そのときに強いのが、株や不動産、金などの資産。そして何より、世界一の経済力を持つ国のリスク資産はやっぱり強い。
短期の混乱はあっても、投資家は“ストーリー”を見ておくことが大事なんだ。
まとめ:好調に見える経済の裏でじわじわ進行する変化
トランプ大統領の政策によって、いよいよ**「数字に表れるトランプ効果」**が始まりました。
- 関税による物価上昇
- 移民政策による人手不足と賃金上昇
- 株高・資産効果による消費の増加
これらは短期的には景気を押し上げますが、その裏でインフレという火種が確実に育っているのです。
今後のアメリカ経済、見た目の強さに惑わされず、「通貨の価値」と「本当の豊かさ」に目を向けたいですね。
米経済に表れ始めたトランプ効果
https://jp.wsj.com/articles/trump-effect-starts-to-show-up-in-economy-7449433a
ウオールストリートジャーナル 2025/7/17
