
日本、世界5位へ転落
静かに抜かれていく日本
マネサバくん:おじさん、またニュースで「日本がインドに抜かれる」って見たよ…まさか経済でも?
私:そうなんだ。IMF(国際通貨基金)の最新の予測で、2026年には日本のGDPがインドに抜かれて、世界5位になる見通しなんだよ。
マネサバくん:うぅ…人口も抜かれて、今度は経済も…!
私:しかもそれだけじゃない。2029年にはイギリスにも抜かれて、世界6位になるって予測も出ている。
ついにインドに抜かれる
ロイターや日経の記事によれば、2026年の名目GDPは…
- 日本:4兆4636億ドル
- インド:4兆5056億ドル
となり、インドが初めて日本を上回るとのことです。ちなみに2023年にはドイツに抜かれ、3位から4位に転落したばかりでした。
要因は様々ですが、主に以下の2つが大きいとされています:
- 円安が進行し、ドル建てGDPが目減り
- インドが高成長を続けている
つまり、「日本が悪い」だけでなく、「インドが伸びている」というポジティブな側面もあります。
1人あたりGDPでも下位に…
マネサバくん:でも日本ってまだまだ豊かな国でしょ?
私:それがね、1人あたりで見ると、実はもうそんなに上じゃないんだよ。
2023年の1人あたりGDP(ドル建て)で見ると、日本は世界36位。
上位には、
- アメリカ(7位)
- シンガポール(4位)
- ルクセンブルク(1位/約13万ドル)
- 韓国(日本より上)
- バハマ、スロベニア、ブルネイ など
日本は約3万ドルで、ルクセンブルクの約4分の1。
「技術立国・経済大国」のイメージは、過去の話になりつつあります。
なぜこんなに差がついたのか?
よく「円安だからGDPが小さく見える」と言われます。たしかにその通りです。
でも、それだけでは説明できません。
なぜなら日本はこの30年間ほとんど経済成長していないからです。
一方のインドは毎年6%前後の成長を続け、人口は世界最大。
さらに、中間層が急増し、自動車の国内販売台数も日本を超えました。
日本が止まっている間に、世界は前に進んでいるのです。
そもそも為替も強い国の通貨が買われて、弱い国の通貨が売られてしまうのです。
「円安」は単に市場の問題だけでは有りません。
インドと日本の将来予測
IMFによる**今後の成長率予測(実質)**は以下の通り:
| 年 | 日本 | インド |
|---|---|---|
| 2025年 | +1.1% | +6.6% |
| 2026年 | +0.6% | +6.2% |
この差が5年、10年と続けば、抜かれて当然です。
むしろ、「ここまでよく持ちこたえた」とも言えるかもしれません。
GDPの意味をもう一度考えよう
マネサバくん:でも、GDPって大きければいいってもの?
私:確かにそうとも限らない。でも、世界での影響力や外交力、通貨の信用力など、国家の「格」を測る基準の一つにはなるよ。
GDPが小さくなれば──
- 世界での発言力が落ちる
- 円の信用が下がる(=輸入物価が上がる)
- 海外からの投資が減る
といった悪循環も起こります。
「日本の衰退」は、単なる数字の話ではないのです。
まだ誇れるものはあるか?
とはいえ、日本にも光はあります。
たとえば、株式市場の時価総額。
世界ではアメリカ、中国に次いで3位です。これは、トヨタやソニーなどの大企業が世界でしっかり稼いでいる証拠。
また、国民の金融資産は依然として豊富。
インフラ、治安、教育レベルも高い。
ただし、それらも**「過去の遺産」にならないようにしなければいけない**。
人口減少、技術革新の遅れ、政策の停滞──こうした課題に正面から向き合う必要があります。
私たちにできることは?
マネサバくん:うーん、国のことって自分じゃどうにもできない気がしてきた…
私:でもね、「国に任せる」だけでは変わらない。自分の生き方、働き方、お金の持ち方を少しずつ変えることが、回り回って日本全体を元気にする力になるんだよ。
たとえば──
- 海外資産への分散投資ssssssssssssssssssssss
- スキルアップでグローバルに働く力を持つ
- 新しい技術やビジネスに目を向ける
これらは「個人でできる成長戦略」なんだ。
国に頼るだけでなく、「自分経済」を育てることが、これからはますます大事になるよ。
会話でおさらい
マネサバくん:なるほど…「インドに抜かれた」ってニュースの裏に、いろんな現実があったんだね。
私:うん。ただ悲観するだけじゃなく、「じゃあ自分はどうする?」って考えるきっかけにしてほしい。
マネサバくん:ぼくも、自分の“経済”を育てていくことから始めてみるよ。
私:いいね。その一歩が、きっと未来を変えていく力になるからね。
まとめ──静かなる転落、でもまだ間に合う
2026年、日本はインドに抜かれて世界5位へ。
2029年にはイギリスにも抜かれ、6位になるという見通し。
でもこれは“終わり”ではなく、“再スタート”のタイミングかもしれません。
現実を見て、問題を直視し、個人が小さなアクションを積み重ねていく──
それが、日本という国を、もう一度世界に誇れる国にする第一歩です。
「インドに抜かれた」の一言で終わらせず、
私たち一人ひとりが「未来を選ぶ側」に立ちましょう。
【出典】
タイトル:日本のGDP、インドに抜かれ世界5位へ IMF2026年見通し
URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA160QB0W5A011C2000000/
媒体名:日本経済新聞
掲載日:2025年10月16日
