スタグフレーション再来?市場を揺るがす「Sワード」
2025年3月12日付の日経新聞の記事を読んで、久しぶりに市場の空気がピリついているのを感じました。今回は、景気後退とインフレが同時に進む「スタグフレーション」という言葉が、ウォール街をざわつかせています。
スタグフレーションとは?
スタグフレーションとは、景気が悪いのに物価が上がり続けるという、経済にとっては最悪のシナリオのこと。普通、景気が悪くなれば人々の支出が減り、物価も落ち着くはずなのに、それでもインフレが止まらない。まさに「二重苦」とも言える状態です。
今回の記事によると、ダウ平均株価は前日比478ドル安と大きく下落。一時は700ドル以上の下げ幅に達しましたが、ロシアとウクライナの停戦案受け入れ報道やカナダの電力料金引き上げ撤回が好感され、下げ幅を縮小しました。
それでも、マーケットに広がる不安は簡単には消えません。特に注目されたのが、著名投資家ゲーリー・シーリング氏による分析。1948年から2024年末までのデータを比較した結果、景気拡大期でも後退期でも、消費者物価指数(CPI)の上昇率はあまり変わらず、景気が悪くなっても物価が下がるわけではない、というのです。
FRBが直面する難題
これが意味するのは、米連邦準備理事会(FRB)が直面する課題が極めて厳しいということです。景気を冷やさないとインフレは止まらない。しかし、冷やしすぎればリセッション(景気後退)を招いてしまう。この相反する目標の狭間で、FRBは非常に難しい舵取りを迫られています。
過去を振り返ると、1980年代初頭のポール・ボルカーFRB議長の時代、インフレ退治のために失業率の上昇を覚悟で金利を大幅に引き上げたことがありました。あのとき、10年国債の利回りが一時20%に達したほどです。
今、そこまで極端な状況ではないにせよ、当時よりもアメリカの財政赤字は大きく、インフレ圧力も高まっています。FRBにとっては非常に頭の痛い問題と言わざるを得ません。
すべてが悲観ではないが…
もちろん、すべてが悲観的なわけではありません。米投資銀行エバコアISIのジュリアン・エマニュエル氏は「経済指標は引き続き米景気拡大を示している」と語り、過度な悲観論に疑問を投げかけています。
それでも市場は今、2月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)、小売売上高などの経済指標に神経をとがらせています。ちょっとした数字のブレでも、株価は大きく揺れ動くでしょう。しばらくは、毎週のように発表される経済データに一喜一憂する不安定な時間が続きそうです。
まとめ:長期目線を忘れずに
今回の記事を読んで感じたのは、短期的な市場の波に振り回されすぎないことの大切さです。スタグフレーションのリスクは確かに存在しますが、だからといってすぐにパニックになる必要はありません。
歴史的に見ても、混乱の後には新しいチャンスがやってきます。重要なのは、冷静に今の市場環境を分析し、自分の投資方針をぶらさないこと。焦らず、長期的な視点で、堅実に資産を築いていく。これがこれからの時代を乗り越えるための基本姿勢ではないでしょうか。
株式市場を震わす「Sワード」 著名投資家の分析が波紋
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN11DE20R10C25A3000000
日経新聞 2025年3月12日
