マネサバおじさん      

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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年3月15日

インフレ懸念の再燃と、これからの資産形成


2025年3月、アメリカの消費者心理に大きな揺らぎが見え始めました。ミシガン大学が発表した消費者調査によれば、5年先の予想インフレ率が3.9%と、実に32年ぶりの高水準になったそうです。しかも、1年先の予想インフレ率も4.9%。アメリカの中央銀行であるFRBが掲げる物価目標の2%を大きく上回っています。

背景にあるのは、トランプ大統領の進める関税強化政策。経済の教科書的に言えば、関税は輸入品の価格を引き上げるため、国内の物価が上昇しやすくなります。つまり、インフレのリスクが高まるわけです。


関税とインフレの深い関係

関税は、物価にじわじわと影響を与えます。為替相場が変動するのと似たように、自国通貨の購買力を下げる効果があるためです。ただし、為替と違って政府がコントロールできるため、市場経済を採用している国でも比較的取り入れやすい政策になっています。

インフレが進むと、物価が上がる一方で貨幣の価値は下がります。つまり、同じ金額でも買えるものが少なくなってしまうということ。これは家計にとっては無視できない問題です。

実際、消費者態度指数も前月から6.8ポイント低下し、57.9に。消費者の不安感は確実に高まっていることがうかがえます。英キャピタル・エコノミクスのアナリストも「関税政策の影響に対する消費者の懸念の高まりが反映されている」と指摘しています。


日本にも忍び寄るインフレリスク

今回のデータはアメリカに関するものですが、日本も決して無関係ではありません。むしろ、財政赤字や少子高齢化による成長鈍化を考えると、インフレリスクはアメリカ以上に深刻な問題になるかもしれません。

日本では長らくデフレに苦しんできましたが、世界的なインフレ圧力の中で、物価の上昇が本格化しつつあります。政府債務が膨らむ中、インフレは事実上、債務負担を軽減する一つの手段とも言われますが、その分、私たちの生活コストも確実に上がっていくのです。


インフレ時代の資産防衛とは?

インフレ局面では、現金や預金に資産を置いておくリスクが高まります。なぜなら、物価が上がる分だけ現金の実質的な価値が目減りしてしまうからです。

こうした時代に有効とされるのが、「インフレに強い資産」への投資。たとえば株式や不動産、金などが挙げられます。特に株式は、企業が物価上昇分を製品価格に転嫁できれば、業績が伸び、結果として株価も上がる可能性があります。

もちろん、すべての株式がインフレに強いわけではないので、選び方には注意が必要です。経済力が強く、技術革新力の高い企業や、生活必需品を扱うディフェンシブ銘柄は比較的インフレ耐性が高いとされています。


未来を見据えて、今できること

「未来は誰にも予測できない」とはよく言いますが、だからこそ備えは大切です。資産運用もその一つ。20代、30代のうちから、少しずつ経済や金融に興味を持ち、知識を積み上げていくことが、未来の自分を助ける力になります。

時間を味方につけた資産形成は、特別な才能がなくても、着実に効果を発揮します。ウォーレン・バフェットが長年にわたって積み上げた資産のほとんどは、まさに時間と複利の力によるものだと言われています。

今回のアメリカのデータを受けて、インフレは決して一過性のものではないという見方が強まりました。これを機に、これからの時代をどう乗り切るか、自分なりに考えてみるのも良いかもしれません。


3月の米長期インフレ予想、32年ぶり高水準 関税懸念で

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14D2V0U5A310C2000000

日経新聞 2025年3月15日