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マネー・サバイバル

—知識を武器に、未来を変える—

2025年6月6日

レイ・ダリオが“非公式アドバイザー”に──インドネシアが得た知恵、日本が学ぶべきこと


世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」の創業者、レイ・ダリオ
投資家であれば、その名前を知らない人はほとんどいないでしょう。彼の著書『プリンシプルズ』は、自己管理から経済の構造に至るまで、まるで“生きた教科書”のような存在です。

そんなダリオ氏が、このたびインドネシア政府系ファンド「ダナンタラ」の非公式アドバイザーとして関与することが発表されました。報酬もなく、立場もあくまで“非公式”。それでも、世界の金融界にとっては大きなインパクトを持つニュースです。


ダナンタラとは何者か?

まずは、インドネシアが設立したこの「ダナンタラ」について。テマセク(シンガポール政府系ファンド)をモデルにしたこのファンドは、将来的に約129兆円規模の運用を目指す巨大プロジェクトです。

国営企業の配当を活用し、ニッケル製錬や再エネ分野など、資源・未来産業への投資を積極的に行う予定。つまり、資本の力で経済成長を牽引しようという国家戦略型ファンドです。

こうした試みに、世界の有識者を巻き込んで信用力を高めようとするのは当然の流れ。その中にダリオ氏の名前が入っていたことは、まさに“インドネシアの強運”とも言えそうです。


なぜ“非公式”になったのか?ダリオ氏の“静かなメッセージ”

実はダリオ氏、当初はアドバイザリーボードの正式メンバーに就任する予定でした。それが、結果として“非公式”に変更された。その理由について公式な説明はありませんが、5月下旬にダリオ氏がSNSで「縁故主義」に批判的な投稿をしていたことから、ガバナンス面への懸念が背景にあるという見方が出ています。

これは、ダリオ氏らしい“無言の警鐘”でもあるように感じられます。経済や資産運用における彼の哲学は、「ルールに従い、透明性を重んじ、長期視点で考える」こと。どんなに国が成長志向でも、政治の介入が強すぎる環境では、本来の運用が機能しないというのが彼の基本スタンスです。


日本に住む私たちが、なぜこのニュースを注目すべきなのか?

「インドネシアの話でしょ?」と流すのはもったいない。むしろ今の日本が置かれている状況と重なる部分が多いからこそ、ここに学びがあるのです。

たとえば、日本でも政府の市場介入は年々強まっています。

一見すると、庶民の生活を守る“正しい政策”にも思えますが、裏を返せば「市場を信じていない」「価格は政府が決める」という社会主義的な色合いが強くなっているとも言えます。

ダリオ氏が警戒するのは、まさにこうした“見えない統制”が、経済のダイナミズムを奪い、やがて投資家の信頼を失っていく流れです。


レイ・ダリオの著書が語る「日本のこれから」

レイ・ダリオの著書『ビッグ・サイクル』『新しい世界秩序』では、歴史を通じて国がどのように衰退していくかが具体的に語られています。

・過剰な借金
・金利政策の限界
・格差の拡大
・政治の分断
・通貨の信認低下

これらは、どこか今の日本にも重なって見えるのではないでしょうか。


まとめ:今、学ぶべきは「自分で考える力」

インドネシアはラッキーかもしれません。ダリオ氏という“未来を読む力”を持つ人物に、非公式とはいえ意見を求める機会を得たのですから。

一方、日本に住む私たちはどうでしょう? 政策の行方をただ見守るのではなく、自分で情報を読み、未来を想像し、行動する力が今ほど求められている時代はないように思います。

資産を守るために、暮らしを守るために。
大切なのは、「今、世界で何が起きているか」に目を向けること。
そして、“静かな声”に耳を傾け、自分なりの判断を持つこと。


レイ・ダリオ氏、インドネシア政府系ファンドの非公式顧問に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM061M30W5A600C2000000/
日経新聞 2025/6/6


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